(1)違憲主張の適格性が認められる場合。
1. 憲法上の権利・利益を侵害される第三者と訴訟当事者が、密接な関係にある場合。
2. 第三者の権利を援用する利益が、大きい場合。
3. 第三者が権利・利益を主張することが困難な場合。
【注】
「第三者所有物没収事件」では、訴訟当事者(被告人)に対する「付加刑」という刑罰であることなどがあげられる。
(2)違憲主張の適格性が認められる理由
付随的審査制における、憲法訴訟の機能の変化によるからである。
付随的審査制における憲法訴訟の機能は、従来、当事者の「私権保障」に資することであった。しかし、今日においては、憲法事実が複雑化・多様化し、それに伴って、当事者の「私権保障」も拡大し、それに従って、「憲法秩序の保障」も加わった。
つまり、私権(人権)保障が拡大することによって、「違憲訴訟の当事者適格」も、第三者の憲法上の権利・利益が侵害される場合まで、認められるようになったのである。
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