不合格者座談会 第5回
成川先生:前回は、予備試験・司法試験の不合格者が合格するには、「無知」「謙虚さがない」「ムダばかり」の3点セットを改める必要があると、お話しました。
欧米の有識者の間では、「日本人は精神的に弱い」と、言われています。その弱さを、私は直していきたいと思っています。
諸外国が、軍事の面で日本を攻めようとしています。それに対して、多くの人はどうでしょうか。安逸な生活に、すっかり浸っています。日本人は、精神的に強くならないと、大激動の世界情勢についていけません。「厳しい現実を知らない」とか、「暗記に頼る勉強」とかの低レベルの話で右往左往しているようでは、諸外国の動きに付いていくこともできません。まして、それを凌駕するようなことは、不可能です。
たまたま予備試験・司法試験に合格し、バッジを持っただけで、天下を取った気でいるようでは、大きく変化している世界の動きには、弾き飛ばされるだけでしょう。ワールド・ワイドな環境でも、前に進んでいけるような人を育成するのが、わが「スクール東京」の目標です。Bさん、どう思いますか。
Bさん :私はこれまで長い間、他の学校に通っていました。「この表現は大事だ」「その論点は、論証集で覚えるように」といった指導で、表面的な勉強を続けてきました。長期間やっても、考える力は付きませんでした。成果が出ませんでした。
論文の答案構成ができない、文章が書けないということで、どうしたら論理的思考力が付くのか考えて、こちらでお世話になった次第です。
成川先生:Cさんは、どうですか。勉強をしていてどう思いますか。自分が何をすべきか、そのためにはどうしたらいいのか、自己を分析し判断する力は付きましたか。それについて、何か思うことはありますか。
Cさん :そうですね。何人かの合格者とお話をする機会を通して、受験に成功した人たち共通の謙虚さを、感じます。どうしても自分が、勉強していると、現実を直視できず、つまづいたとき痛みに耐えられない。課題に直面すると、そこで止まってしまう。前に進めない。しかし、合格者の人は、たとえ壁にぶち当たっても、失敗を冷静に受け止め分析し、過ちだけで終わらせません。これは、冒頭に成川先生がおっしゃった「謙虚さ」があるからか、と思いました。痛みで止まってしまう私とは、違うことに気付きました。
成川先生:痛みなど、直ぐに消えます。それに、あなたのことは、誰も気にしていません。
失敗したから、恥ずかしい、どう対処したら、と気にしているのは、自分だけです。恥ずかしいと思うくらいなら、「次は間違えないぞ」と、過ちを教訓にして、次に生かせばいい。でもそれをしない。なぜか。それは、本当は怠けたいのです。怠けたいから逃げる。きつい言い方ですが、それが「痛み」の実体です。
しかし、そんな怠け者では、一角の人物にはなれません。何事にも苦しみは伴うものです。それが嫌だったら、「痛みのない国」に逃げればいい。「砂糖ばっかりの国」に、逃避すればよいのです。
日本は、厳しさを嫌がる風潮になっています。そうではなくて、困難に対して、絶対に向かっていく。問題点を分析して捉え克服する。より爽やかにやり遂げていく。そんな風にすればよい、と思います。Aさんは、どうですか。
Aさん :そうですね。向かっていくというのは、自分に一番欠けているところだと思います。
成川先生:そう、戦うのです。負けたっていい。来年やればいいのです。ポイントは、合格の反対は、不合格ではなく、諦めることです。諦めたら、すべては終わりです。それまでの努力は、一瞬にして消えます。ギブ・アップするくらいなら、最初からやらない。あるいは、この試験に挑むとき、何回すべったら自分は諦めると、確認しながら進めたらいい。または、最初から3回、4回だめだったら止める、と決めておくのです。
そのような基準を、定めてからやる。時間で判断するか、内容で考慮するか、それとも絶対にやり遂げるか。私個人としては、試験を受けようとした瞬間で、合格があると考えます。
もし、合格しないようなものだったら、最初から受験しない。やろうと思えば、受かります。多少、勉強するだけのことです。これがなければ、いい人生も送れず、小リッチにもなれません。
予備試験・司法試験なんて、大したことはありません。もっと厳しいことが、世界にはあります。例えば、地球環境です。国際的な協力がなければ、一個人の意思ではどうしようもありません。他にも、様々なことがあります。
大きく世界が揺れ動いている時代、皆さんは負けないように、していただきたいのです。たった一度の人生ではないですか。自我や他人からの評価を、上げるように生きましょう。
さあ、行くぞ!
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