次の【設問】（➀から③）について解答せよ。

【設問➀】
競業取引（会社法356条1項1号「事業の部類に属する取引」）の定義
【設問②】
A会社の取締役EがF株式会社の発行済株式総数の70パーセントを保有している場合において，A会社が，F会社のG銀行に対する1000万円の借入金債務について，G銀行との間で保証契約を締結するとき，会社法上，A会社の取締役会の決議が必要か。
【設問③】
取締役が在任中に取締役会の承諾を得て会社から金銭を借り入れたが，弁済期に返済しないまま退任してしまった。株主は，株主代表訴訟を通じて同取締役に対し，責任追及することができるか。

【出典】
設問②は，旧司法試験論文式試験平成15年度第1問・小問2から抜粋。設問③は，旧司法試験論文式試験平成6年度第1問を簡易アレンジ。

【分析の視点】
設問②③については，議論の対象となる概念を特定し理論的に分析することが求められる。設問②においては，EとF社の関係について，「利益の帰属先はどこか」という視点から分析することが大切だ。設問③においては，株主代表訴訟にて追及の対象となる「責任」の意義を，「取締役」という地位に結びつけて検討することが必要だ。当該債務負担行為は，「取締役」の職務遂行として行われたのかどうか。

【確認すべき知識】

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