刑事訴訟法

刑事訴訟法テストNo.4[解答編]/佐藤亮子の言葉(2)

 


・4人のお子さんを東京大学・理科3類(医学部)に受からせた奈良の佐藤亮子さん。お疲れ様でした。

「受験は母親が9割」などいろんな本で、ご自分のノウハウを発表されている。学ぶことも多い。その1つを示します。

<佐藤亮子の言葉(2)>
「受験のプレッシャーに勝つためには、なによりも過去問を」

・まったく、その通りです。予備試験・司法試験は、過去問を研究するだけで合格します。

ただ、「過去問なんて、分かって当たり前。5回も回した」と豪語する人がいます。そんな人は、“覚えまくって、目を通しているだけ”の暗記主義者です。

決して理解していません。もちろん、何回受けても、不合格になります。

・そこで、本質を掘り下げる必要があります。そうすると、法学の真の光が“ピカッ”と見えてきます。ここまでくると、「100%合格」です。「短答」「論文」の試験とも、実質は全く同じです。

では、昨日の答えを示します。


刑事訴訟法テストNo.4[解答編]

参考文献等
田宮裕「刑事訴訟法[新版]」(有斐閣・2012)
スク東先生「スク東先生ブログ」(スク東先生・2016夏~)

次の記述について解答せよ。刑事訴訟法名は省略する。

【問➀】317条は,「事実の認定は証拠による」と規定する。同条の「事実」とは何か。
【解答】刑罰権の存否及び範囲を画する事実(犯罪事実:構成要件該事実,違法性・有責性を基礎づける事実,法律上の刑の加重減免の理由となる事実)をいう。
【問②】次の(1)(2)それぞれを証明する際,「厳格な証明」が必要か。
(1)アリバイ事実
(2)自白の任意性
【解答】(1)必要である。アリバイ事実は,被告人について犯罪事実の不存在を推認させる間接事実である。犯罪事実の不存在は,刑罰権の否定に繋がる。
(2)必要である。自白の任意性は,犯罪事実の存在を基礎づけるものではない。しかし,犯罪事実の存在を証明する有力な証拠になるので,被告人に充分な防御の機会を与える必要がある。したがって,被告人の利益保護を十全化させるべく,厳格な証明が必要である。
【問③】司法警察職員Oは,甲を強要罪の被疑事実で通常逮捕するため,郊外にある甲の自宅に赴いたが,甲は不在であり,同居している甲の妻から,「あのろくでなし(甲)は,もう間もなく帰宅する。」と聞いた。
(1)Oは,「あ,そうなんすね。なるほどなるほど。でもこっちも時間ないんで。奥さんに逮捕状を見せときますか。ご確認いただければ幸いです。ハイ。」と言いながら得々として妻に逮捕状を示した。Oの妻に対する逮捕状呈示は適法か。
(2)Oは,妻に逮捕状を示した後,「それでは,さっそく」と言いながら,甲宅内の捜索を開始した。Oの捜索は「逮捕する場合」(220条1項柱書前段)に当たるか。
【解答】(1)適法ではない。201条1項によれば,逮捕状は被疑者に呈示されなければならない。
(2)「逮捕する場合」とはいえない。Oは,甲の妻に逮捕状を示したのみであり,甲の逮捕に着手していないからである。(本ケースと異なり,仮に本件が緊急逮捕のケースであれば例外的に「逮捕する場合」に当たり得る。)
【問④】採血に関して次の(1)(2)について解答せよ。
(1)捜査機関が被疑者に対して行う採血は強制処分(197条1項但書)に当たるか。
(2)採血が強制処分に当たるとして,いかなる令状が必要か。
【解答】(1)強制処分に当たる。採血は,身体への損傷を伴い,健康状態(正常な生理機能)に障害を来す危険もある。
(2)鑑定処分許可状(225条3項)と身体検査令状(218条1項後段)を併用する必要がある。鑑定処分許可状には,直接強制の効力がない(225条は172条を準用しない。225条4項で準用する168条6項は139条を準用しない)からである。
【問⑤】甲は,適法な手続きに則って逮捕に着手した警察官を振り切って,たまたまドアが開いていた近くのダンス塾「OXILEダンス塾」(塾頭はOGK)の事務所に逃げ込んだ。警察官は,甲を追って同事務所に立ち入ることはできるか。
【解答】立ち入ることができる。220条1項1号が根拠となる。「逮捕に伴う捜索差押」については,多くの論点があるので確認しておこう。
【問⑥】伝聞証拠の定義
【解答】公判廷外の供述を内容とする供述証拠であり,その供述内容の真実性立証に用いるものをいう。
【問⑦】甲は,乙から金員を騙し取ることを思い付き,その方法・手順等を鉛筆でメモに残した。検察官が,甲の詐欺被告事件の公判において,同メモに記載された内容を立証する証拠として使用する場合,同メモは伝聞証拠に当たるか。
【解答】当たる。本件の場合,要証事実はメモの内容(詐欺遂行の手順等)の真実性を立証しようとするものである。「要証事実」と似て非なる概念に「立証趣旨」がある。両者の区別もできるようにしておこう。
【問⑧】共同被告人の法廷外での供述が伝聞証拠に当たるとした場合,同供述に証拠能力を認めるための根拠規定は何条か。
【解答】根拠規定は,321条である。共同被告人同士では,利害関係が相反する危険が高い。そのため,共同被告人の供述は類型的に見て信頼性が高くない。そのため,証拠能力を認めるための要件は厳格であるべきである。

【スク東先生の白熱教室】
「スク東先生LIVE2018~いつかのスク東先生~」
そう,スク東先生だ。
スク東先生(以下、「先生」という。)は,今日も「暗記ではない。理解が大切なのだ。」と咆哮する。もしかすると何度叫び続けても伝わらず,熱い思いをかきむしるだけの夜もあったかもしれない。花子さんとの問答では,短答の一問どころか一つの記述を,場合によっては数日を費やしてねっちり検討する。
気になるのは,記事の締めくくりの「今日も時間となりましたので」というセリフである。先生と花子さんの問答は,大体何時ごろ始まり,何時ごろ終わるのだろうか。先生は問答が終わったら,その場から軽やかに「風のように去」るのか,あるいはその場に滞留して油を売っているのかどうなのか。気になるところではあるが,おそらく前者だろう。なぜなら,先生は読者の「学習方法の改革」のために日々疾走しているからだ。
先生は,「改革なくして理解なし。理解なくして改革なし。スク東先生は,暗記主義をぶっ壊します。」というキャッチフレーズを引っ提げ,東に暗記党の人がいれば行って「それでは直ぐに忘れてしまいますよ。暗記することは恐いことなんです。」と厳しく叱責して震え上がらせ,西に判例集や基本書を暗記する派閥の領袖がいれば,行って「暗記は理解の抵抗勢力です。」と激しくアジテーションする。
このように先生は,読者の固定観念や既存の知識に理論等,所与の枠組みを打ち壊し,新たな地平を切り拓くことを提案する。具体的な記事を通じて見て行こう。
記事:2017年11月1日・2日記事
「失踪」における「善意でした行為」の意味が“取れた”のは,「先生のおかげでした」編
この記事で先生は,「概念の定義に囚われずに理解するが吉」と喝破する。先生は既存の(確立された)知識や法理論でストレートに解くことを蛇蝎のごとく嫌い,「情報」によって解くことを信条とする。本記事は「知識に頼らず,情報を利活用して知識を理解・習得する」一例として味わい深いものがある。
記事のテーマは,民法32条1項後段「善意」の解釈だ。詳しくは,29-3エを参照頂くとして,判例は32条1項後段の「善意」を「双方善意」とする。大切なのは「双方善意」と解される根拠である。すなわち「なぜ相手方のみならず,相続人まで『行方不明になった者が,実際は生存(あるいは死亡)している事実』について「善意」でなければならないのか」だ。相続人及び相手方の認識対象を「失踪」の定義(30条1項参照)に照らす形で確定すれば,さほど無理なく「双方善意」を導くことができる。しかし,先生はそんな教科書的な(≒法理論的・知識的な)説明をよしとせず「情報」を駆使した斬新な視点で解説をする。先生が重視する「情報」は,「登場人物の利益」である。注目すべきは「(失踪した)Aの帰責性も小さいので,相手方悪意であれば,Aを保護すべき」である(正確には花子さんの解答だが,先生はこれを評価・追認しているので,そのまんま先生の解説と捉えて差し支えないだろう)。重要なのは,失踪したAの「帰責性」を調整対象としている点だ。失踪した人間にも財産喪失の落ち度が(小さいとはいえ)あるだろう,というわけだ。なかなかラジカルな視点である。
筆者はこの解説を一見した時,「先生,畏れながら申し上げます。生のまんまの利益を訳知り顔でぶつけただけのような・・。水掛け論になる恐れがあるかと・・。」「法律論というより,学級会とかの話し合いのようにも見えます。学級会では類型的に『○○君も悪いと思います』という相互糾弾がよくなされますが,それに似てございます。」という印象を抱いた。が,やはりここは努めて冷静に先生の解説を見ると,筆者の見方こそお粗末さんでお話にならないことが分かった。
先生の意図を探求せねばならない。具体的にはこうだ。確かに先生の解説は,表面的には「生のまんまの利益衝突の水掛け論型あるいは学級会型」に見える。しかし,根底にあるのは先生固有の“知識習得のための仕掛け”だ。それは,「インパクトを伴った理由付こそ,確実な知識の定着・想起を促進する」ための工夫である。「インパクトを伴った記憶こそ身に付きやすく,また思い出しやすい。」ことはほとんどの読者にとって強く納得する所だろう。例えば試験の現場で混乱しても,インパクトを伴って記憶した事項はスムーズに思い出しやすい。いわゆる「エピソード記憶」によって得た知識は忘れにくいことと類似する。先生は,「理論的な解説は本で読めば足ります。でもそれだと直ぐに忘れてしまいます。インパクトを伴った形の学習こそ大切です。」ということで,あえて理論的視点を捨象した“離れ業”を披露しつつ,読者の知識獲得力を強化するための工夫の方法・視点を提示したと言える。ただ,先生のような「テクノクラート」のレヴェルを目指すならともかく,「つまらないが安全な議論」を望む人にとっては,「定義」から地道に法理論を積み上げる方法がよい。先生のレヴェルまで行かずとも問題を解くことは可能だからだ。
いずれにせよ,先生の提案する方法を参考に「知識を確実なものとする」ための工夫を自分なりに探求することが大切だ。


・ある項目の「定義」「趣旨(目的)」「内容(その他)」を理解し、他人に説明できるぐらいにすればよいのです。

絶対合格!!

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