【解答】
第1 正誤
誤っている。本問の同意に,処分性は認められない。
第2 理由
1 「処分」(行政事件訴訟法(以下「行訴法」3条2項等)とは,公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち,直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいう。以上は,➀公権力性②直接具体的法効果性に整理できる。
2(1)都市計画法(以下「法」)32条1項規定の「同意」は,公共施設管理者に対し,国民が開発許可を受けるための法的地位を規律する権限を付与したものである。この権限は,公共施設管理者が,法によって付与された優越的地位に基づいて,国民に対して一方的に行使される権限である。そのため,法32条1項「同意」については➀公権力性が認められる。
(2)法33条1項は,開発許可の申請に係る開発行為が法所定の要件を充たす場合,都道府県知事は開発許可をしなければならないと規定する。
他方,法33条1項は,開発許可の申請が法32条1項の「同意」を得られないまま行われた場合について規定していない。そうすると,開発許可の申請を行おうとする者が,法32条1項が規定する公共施設管理者の「同意」が得られないまま申請をした場合,都道府県知事がその申請を確実に不許可にするとは限らない。そのため,開発許可の申請を行う者は,「同意」が得られなかったからという理由で確実に開発行為が制限されるとはいえない。
(3)したがって,同意を拒否する行為が,開発行為自体を直接禁止するものではなく,開発許可申請者である国民の開発行為をする権利を直接制限するものでもない。制限が認められるとしても,それはあくまで都道府県知事の裁量的判断によるものであり(法33条1項参照),同意の拒否自体によって直接的に誘発された制限ではない。②直接具体的法効果性は認められない。
3 よって,本問において同意を拒否する行為は,直接国民の権利を制限する性質をもたないため,「処分」にあたらない。 以上
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