質問の聞き方・方法についてお話しします。
質問するためには、まず日頃から考えることがポイントです。
その場限りで、“パッパラパー”なことを尋ねられても迷惑です。「こいつは、分かってないことを口に出しているだけだな」と、思われてしまいますから。
だから、日頃から問題意識を持っていなければ、だめです。
最近の若い人は、疑問を持たない人が多いと聞きますが、その辺りに原因があるのでしょう。
いつも一生懸命働いて生きている人は、尋ねることが多いのです。少ない人はその分、成長が少ないです。
次は、具体的な尋ね方についてお話しします。
その場ですぐ頭に浮かんだことを言ってはいけません。
まず、メモをします。その後、質疑応答の時間に言います。
発言者から「何か聞きたいことはないか」と、促されても尋ねない人がいます。この人は、その間、何も考えていないのと同じです。
だから「ありません」とは、なるべく言わないでください。「ここは、こうだ」という自分なりのコメントをして、分からないところは質問しましょう。
私の場合、大学を卒業後、新聞記者として会社勤めをしていました。22,3歳の頃ですから、分からないことが多くありました。ある編集の1番偉い人(編集主幹)が、約200名の新入社員を前に、会社のことや文章を書くことについて、話をしました。その人は最後に、「何か質問があったら、してくれないか」と、言いました。しかし、みんな黙っています。すると、「じゃあ、質問が思いついたら、私の部屋に来てください」と、言いました。
私は、疑問点があったから、その人の部屋に電話をしました。女の人が電話に出て、時間をセットしてもらいました。
指定された時間に、部屋へ行くと、秘書の1番偉い人に「質問に来られたのは、あなただけですよ」と、言われました。
私は、あらかじめノートに書いておいた疑問を尋ねました。
そうすると、「ああ、面白い男だな」と思ったのでしょう。その後、編集主幹からも電話が、かかってくることがありました。秘書さんから「今、空いてますから、どうぞ」と。
いろいろ教えてもらいました。社内や業界のことも、雑談で話してくれて、非常に参考になりました。公に書いていないことも、おっしゃってくださったのです。私はメモをして、お礼を言って帰りました。
その後も、マーケティングや広告の担当者に質問しました。大学を出たばかりで分からないことが、たくさんあったからです。
一般知識だけでなく、本に書いていないもの、公にされていないもの、本当のことを教わりました。
だから、尋ねることは本当にいいと思います。
ただし、質問のために質問をしてはいけません。自分が本当に分からないことを聞いてください。
いい質問をする人は、その内容を図にして、見せながら聞いてきます。このような人は、頭がいいと思います。確実に自分で分かっていないことを分かって、より上位の人に、教えを請う姿勢があるからです。
言葉や文章の分からないところを、図で示しながら尋ねます。もちろん、図を指し示す場合は、相手の正面になってから出すのです。自分で自分の書いた図を見ながらではいけません。相手が分かるように提出します。
もっとも、今まで受験指導をした中で、私と同じような方法で質問をした人は、いません。
ただ1人、教えた人の中で、同じように質問をしてきた女性がいます。
一橋大学出身で賢い方でした。公認会計士試験に合格して、協会の偉いさんになりました。
そういうことで、尋ね方1つで分かります。アホはアホの聞き方をするからです。あるいは、聞きません。だから、何も質問をしないのはダメで、“ピシッ”っと、ポイントを突かねばなりません。
だから世の中は、賢い人は、よくなって、どんどん上へ行けます。
しかしアホな人は、いつまで経ってもアホなままです。
もし、自分がアホだと思ったら、賢くなればいいのです。
講演やミーティングなどで、相手が話している場合、その途中で、聞きながらメモを書き出します。そして、話が終わって、「質問どうぞ」というときには、すぐに言うのです。
そのようにやっていくと、コミュニケーションが、うまくなります。
今日も、行くぞ!
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