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<衣笠祥雄・元プロ野球選手の言葉(2)>
「好きなことには、その人の素質が、ひそんでいる」
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▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ! 昨日、いつまで経っても合格しない人は、法曹になることが好きではない、と言った。単に、子どものように、憧れているだけだ。「カッコいい」「高収入だ」などと思っている。具体的な目標に、していない。だから、「ラクして、合格したいだけ」。つまり、「勉強は、嫌い」なのである。これでは、“合格の神様”や試験委員を、ごまかすことはできない。
勉強を好きになるために、人が見ていなくても、コツコツやる。
では、昨日の答えを示します。
【解答】刑法No.16
(1)消防署の駐車場に忍び込み、消防車のタイヤに穴を開けてパンクさせた。
→本罪の保護法益は公務の円滑かつ公正な実施である。その公務を執行する公務員に対する本罪の暴行は、
「公務員という人に向けられた有形力の行使」であることを要する。なぜなら、本罪が保護するのは公務の執行であり、
公務の執行をするのは公務員であるからである。つまり、公務を執行する公務員に暴行が向けられなければならない。
→したがって、消防車のタイヤに穴を開ける行為は人に向けられておらず、公務執行妨害罪の「暴行」には当たらない。
→本罪が成立しない。
(2)差し押さえられて現場に置かれた覚せい剤のアンプルを踏みつけて損壊した。
→本罪の暴行は、「公務員という人に向けられた有形力の行使」であることを要すわけであるから、その暴行は公務員の身体に直接加えられるものに限られない。
→なぜなら、本罪は公務員個人に対する罪ではなく、国家法益に対する罪であり、保護法益は公務の円滑かつ公正な実施であるからである。
→したがって、本罪の暴行には、公務を執行する公務員に間接的に物理的・心理的に影響しうる間接暴行も含まれる。
→覚せい剤のアンプルを踏みつけて損壊した行為は、公務の円滑かつ公正な実施を害しているといえ、本罪の暴行にあたる。
→本罪が成立する。
(3)警察官に対しこぶし大の石を投げつけたが、石は頭をかすめただけであった。
→本罪は、「公務員という人に向けられた有形力の行使」があれば成立するのであり、実際に職務の執行が妨害されたという結果まで要しない。(=本罪は抽象的危険犯である。)
→したがって、警察官に対しこぶし大の石を投げつける行為は本罪の暴行であるから、本罪が成立する。
(4)執行官の補助者として家財道具の搬出にあたっている運送会社の作業員を殴打した。
→本罪の暴行は、「公務員という人に向けられた有形力の行使」であることを要すわけであるから、その暴行は公務員の身体に直接加えられるものに限られない。
→したがって、直接には公務員でない者に対する暴行であってもよい。本罪の保護法益は公務の円滑かつ公正な実施であるからである。
→補助者に対する暴行も、執行官に対する暴行にあたり、公務の円滑かつ公正な実施が害されるのであるから、本罪が成立する。
(5)労働争議に際して検挙に向かった警察官に対し、スクラムを組み労働歌を高唱して気勢をあげた。
→本罪の暴行は、「公務員という人に向けられた有形力の行使」であるが、その暴行は消極的なものではなく、積極的なものであることを要する。
→したがって、積極的な抵抗をしていない労働争議行為は、本罪の保護法益である公務の円滑かつ公正な実施を害したとはいえず、本罪の暴行とはいえない。
→本罪は成立しない。
したがって、正解は、(2)・(3)・(4)の3つである。
【注】
(1)公務執行妨害罪ではなく、業務妨害罪が成立する可能性がある。間接暴行を理解した者へのひっかけとして出題されることが多い。
(2)最決昭34・8・27。また、最判昭33・10・14は差し押さえられて自動車に積載された密造酒入りの瓶を鉈で破砕する行為も本罪の暴行にあたるとしている。
(3)最判昭33・9・30は、現実に公務員の職務の執行が妨害されるに至ることは必要ないとする。
(4)最判昭41・3・24も「執行官」に対する暴行として本罪を成立させた。
(5)最大判昭26・7・18は本罪の暴行たるには、スクラムによって振り切るとか、体力をもって跳ね返すなど、積極的な抵抗が必要であるとしている。
公務執行妨害罪は、業務妨害罪との関係での出題が多く見受けられるが、択一の過去問には、その「暴行」を問うものも多い。本罪の「暴行」が何を意味しているのか、また、本罪の保護法益が公務の円滑かつ公正な実施であるということを理解していれば、暗記をせずとも正解の肢を導くことが可能である。
罪ごとの実行行為や保護法益の内容を明確に定義し、理解することが大事なのである。
さあ! 今日も、“好き・好きモード”で、やりまくる! “かかって来い”だ! 行くぞ! 絶対合格!
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