▼11月も下旬に差し掛かり、寒い風が吹き始めた頃。個別指導の時間、A君がふと、「ちょうど、このぐらいの時期からなんですけどね。突然、調子がおかしくなる学生が増えるんですよ」と、窓の方を眺めながら言う。
A君の勉強会に定期的に通って来た学生が、姿を見せなくなり、連絡すら取れない。「どうしているのか」と心配になり、調べてみると、「郷里の実家に、帰ることにした」「恋人の家で、同棲を始めた」「何十万もする予備校の入門学習セットを、買った」「ほかの資格に、転向した」・・・。6月から10月ころまで、元気に勉強していた学生たちが、別人のようにそれまでの行動スタイルを変えてしまう。特に、11月ごろに集中する現象だという。
▼そういう学生は、“パッ・パニ族”の “パニ族”化するのだろうか。“パッ・パニ族”とは、当年の試験が終わってから約半年間(5月~10月)は自分のペースでパッパラパーと遊び、次の試験前の約半年間(11月~4月)は、試験のプレッシャーでパニックになる受験生をいう。後半でパニックに陥る時期は、個人差があるが、秋から冬に差しかかる時期である。11月が、始まりになる。急激な気温の低下で、全身の血管が収縮し、体調に異変が起こる。夏から秋にかけて取れていた生活サイクルが、一気に崩%8