一般教養

予備試験短答_一般教養対策_税が費用と生産量に与える影響

令和7年予備試験 短答式試験日
令和7年7月20日(日)
令和7年司法試験 本試験日

令和7年カウントダウンは,こちらのページです。
令和7年7月16日(水)、17日(木)、19日(土)、20日(日)
———————————————
明日から,令和7年司法試験論文式試験の第1日目。選択科目・公法系からスタートです。深呼吸して,今日までの頑張りを答案用紙に刻みましょう。出題者が作ってきた文章の中に入りこんで,想像をしてみましょう。出題者が書いてほしい基本事項が見えてきたら,問題文の事情を拾いつつ,筆を進めましょう。制限時間の見間違いにはくれぐれも気を付けて…。さあ,行こう!

今日は,前回に引き続き,予備試験_短答一般教養対策,「税が費用と生産量に与える影響」(ミクロ経済学)です。政府の課す税金が,市場に与える影響を勉強してみましょう。昨今,アメリカへの出関税や国内の消費税について,大きく話題になっています。
「従量税」「従価税」「定額税」などの言葉が並んでいますが,問題文に定義が書かれています。

「従量税」とは,財一単位に対して固定額を税額とする税です。自動車生産などで採用されている課税方式です。
「従価税」とは,財の価格の一定比率を税額とする税です。消費税や輸入関税などで採用される課税方式です。
以上の2つは,生産量に関係し,カテゴリーとして同じと見ます。
一方,「定額税」とは,「生産量にかかわらず」,生産者に固定的に課せられる税です。

次に,各肢の「可変費用」「固定費用」「限界費用」を確認します。
「可変費用」とは,生産量によって変化する費用です。原材料費や従業員への出来高払い給与などです。
「固定費用」とは,生産量に関係なくかかる費用です。機会などの設備費用,オフィスの賃借料,光熱費など。
「限界費用」とは,生産量を1単位増加させたときに追加的に発生する費用です。これは,「可変費用の増加分」と言い換えることができます。ある一つの企業の限界費用は,通常,3次関数で表されます。

①生産量を増やすと,可変費用が増える段階 (イメージ:新しく,従業員を雇い入れる。)
②生産量を増やしても,可変費用がそれ以上増えない段階 (イメージ:従業員も,作業に慣れてくる。)
③生産量を増やすと,可変費用が増える段階 (イメージ:生産量が増加し,既存の従業員だけでは追いつかないので,新たに雇い入れる。)
以上,基本事項を確認して,具体的な検討に移りましょう。
令和4年第20問
完全競争市場で売買されている,ある財に対して税を課すものとする。このとき,税が費用と生産量に与える影響について述べた記述として最も適切なものを,次の1から5までの中から一つ選びなさい。なお,従量税とは財一単位に対して固定額を税額とする税,従価税とは財の価格の一定比率を税額とする税,そして,定額税とは生産量にかかわらず,生産者に固定的に課せられる税であるとする。
1.従量税を課した場合,可変費用と限界費用はともに増加し,生産量は変化しない。
2.従価税を課した場合,固定費用と限界費用はともに増加し,生産量は減少する。
3.従量税を課した場合,固定費用と平均費用はともに増加し,生産量は減少する。
4.従価税を課した場合,可変費用は不変だが,限界費用は増加し,生産量は増加する。
5.定額税を課した場合,平均費用は増加するが,生産量は変化しない。
正解:5

※「完全競争市場」とは,生産者・消費者・政府ともに,財の価格の決定権を持たない市場をいいます。
肢1:「従量税を課した場合,可変費用と限界費用はともに増加し」は正しいが,費用が増加するので生産量は減少するので,誤り。
【図示】市場の価格均衡点

肢2:従価税を課した場合,…「限界費用は増加し,生産量は減少する」,は正しい。一方,固定費用は,課税に関わらずかかる費用なので,増加しないので,肢は誤り。
肢3:従量税を課した場合でも,固定費用は変化しないので,肢は誤り。なお,「平均費用」とは,生産物を1単位作る場合の費用をいう。
肢4:従価税を課した場合,可変費用は増加するので,肢は誤り。
肢5:定額税は,従量税や従価税と違い,生産量に関係なく,企業に課される税である。平均費用は増加するが,生産量はそれによって変化しない。したがって,肢5が正解である。

いかがでしたでしょうか。各費用の概念という基本事項を押さえ,市場の価格均衡点のグラフをイメージすると,わりとスッと解けます。予備試験は,たとえばこういう経済学にも興味を持っている人を採用したいようです。短答式試験まで一週間を切りました。直前期も,いつもと変わらない。楽しんで,勉強しよう!
絶対合格!!

にほんブログ村 資格ブログ 司法試験へ
クリック、ありがとうございます!
また、「司法試験・予備試験ブログ」でお会いしましょう!
▼「司法試験・予備試験メルマガ」にご登録いただくと,受験に役立つ情報を便利に受け取れます。
ぜひ,ご登録ください。
———————————————
【新刊情報】
令和6年(2024年)単年版 司法試験・予備試験 短答 過去問集」発売中!

【2025年(令和7年目標)司法試験/予備試験 カウントダウン・タイマー】
下記のバナーをクリック!

【司法試験・予備試験の個別指導予備校「スクール東京」のおトク情報】
どんなに忙しい人でも合格する力が自然に身につく,司法試験・予備試験メルマガ
フェイスブック
ツイッター
● お悩みやご質問は、お気軽に成川先生へのメール」まで。
●法務省HP 予備試験 / 司法試験

予備試験短答_一般教養対策_ゲーム理論_ナッシュ均衡について前のページ

ピックアップ記事

  1. 今、丸坊主になってきました!スカッとします!!

関連記事

  1. 一般教養

    予備試験短答_一般教養対策_経済学への挑戦

    【令和7年予備試験 短答式試験日】令和7年7月20日(日)【令…

  2. 一般教養

    予備試験短答・一般教養科目の対策について

    【令和7年予備試験 受験願書提出】令和7年3月3日(月)から同年3…

  3. 一般教養

    予備試験短答_一般教養対策_ゲーム理論_ナッシュ均衡について

    【令和7年予備試験 短答式試験日】令和7年7月20日(日)【令…

  4. 一般教養

    令和7年予備試験短答_一般教養対策へ向けて

    【令和7年予備試験 短答式試験日】令和7年7月20日(日)【令…

  5. 一般教養

    予備試験短答_一般教養科目に込められた思いとは…?

    【令和7年予備試験 短答式試験日】令和7年7月20日(日)【令…

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

新刊情報:令和6年(2024年)単年版 司法試験・予備試験 短答 過去問集

法学入門講座(オンライン講座)全9科目コース

2025年7月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

アーカイブ

PVアクセスランキング にほんブログ村

PAGE TOP