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いつも,読んでくださりありがとうございます。
今日は,予備試験短答_一般教養科目_経済学_独占的競争市場の性質について勉強しましょう。
令和5年第20問です。問題文が短く,基本が分かれば,得点できる問題です。過去問では,予備平28-17にも,完全競争市場と独占市場の比較の問題が出ています。一応,肢の順番に解説しますが,時間がない方は,正解肢の順番(肢ア→オ)に解説を読むだけでも,大丈夫です。不正解肢は,寡占市場の性質の説明になっているためです。
問題:独占的競争市場の性質について述べた次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せを,後記1から5までの中から選びなさい。
ア.企業は価格支配力を持っている。
イ.参入障壁があり,企業の新規参入が制限されている。
ウ.均衡では,最も低い限界費用を持つ企業が市場を独占する。
エ.企業が直面する需要曲線は屈折している。
オ.均衡では,企業は正の独占利潤を得ることができない。
1.ア ウ
2.ア オ
3.イ ウ
4.イ エ
5.エ オ
正解:2
<総論>
【不完全競争】
不完全競争とは,市場の中に少数の生産者しかおらず,個々の生産者が価格支配力をもつ場合をいう。
(注)完全競争とは,市場に多数の生産者と消費者がいるため,個々の生産者や消費者が生産や消費を変えても,市場で成立している価格には影響がない場合をいう。
【独占市場】
独占市場とは,市場に1社しかない場合をいう。独占は利潤が高く,他の企業も利潤を求めて参入しようとするので,一般的には生じにくい。実際に独占が生じるのは,参入障壁がかなり高い場合である。
(注)寡占とは,少数の企業による不完全競争状態をいう。寡占市場における価格決定は,「ゲーム理論」が用いられる。
肢ア:〇
価格支配力とは,生産量を変えると,市場価格が需要曲線に従って変化することをいう。独占企業は,市場において,価格支配力を有する。
(注)完全競争市場では,価格は需要曲線と供給曲線の交点で均衡する。

肢イ:✕
参入障壁があり,企業の新規参入が制限されているとしても,かならずしも独占とはいえない。新規の企業が,参入障壁を乗り越えて参入し,寡占の状態になる場合もあるからである。
(注)たとえば,自動車産業では,参入障壁は高いが,独占状態ではない。
肢ウ:✕
「限界費用」とは,生産量をわずかに(1単位)増やした場合に,必要な費用をいう。限界費用は,生産量が上がると,上昇する性質を持つ。たとえば,市場に生産物100億円分の需要があるとする。かりに,既存のA社は限界費用の関係で50億円分しか生産できないと,A社より高い限界費用でも,他のB社が参入して,不足する50億円分の生産物を供給する可能性がある。したがって,肢のように,最も低い限界費用を持つ企業が市場を独占するとは,いえない。
(注)限界費用は,総費用(3次関数)を微分した2次関数で表される。

肢エ:✕
需要曲線が屈折する場合とは,独占ではなく,寡占の状態で起こる。寡占市場は,供給企業が少ないため,ライバル企業を想定しながら,価格が決められる特徴がある。「屈折需要曲線」の条件は,次のとおりである。
①自社が現在より低価格を付けた場合,ライバル企業は「追随する」。
<理由>ライバル企業は,お客を奪われると困るから。
②自社が現在より高価格を付けた場合,ライバル企業は「追随しない」。
<理由>ライバル企業は,そのまま待っていれば,いずれお客が,より安い値段の自分たちの所へ流れてくると思うから。
【屈折需要曲線】

肢オ:〇
独占企業は,収入(=価格P×生産量Q)からコストを引いた分が最大になるよう生産量Qを決める(利潤の最大化・青の面積部分)。

最適な生産量は,「限界収入」という概念をもとに,導く。限界収入とは,生産量をわずかに増やしたときに,収入がどれだけ増えるか,という概念である。
限界収入を関数としたものを,限界収入関数といい,独占市場の場合,次の特徴を持つ。
①需要曲線と同じ切片をもつ。
②傾きが,需要曲線の2倍である(収入関数をQで微分した結果得られる)。

独占市場で,企業が利潤最大化行動をとると,次の特徴になる。
①限界収入(MR)=限界費用(MC)となる点をもとに,企業の生産量Qが決まる。
②MR=MCのときの生産量Q1は,完全競争市場の均衡における生産量Q0よりも小さい(マイナス)。
③MR=MCのときの価格P1は,完全競争市場の均衡における価格P0よりも小さい(マイナス)。
したがって,「独占市場において,(完全競争市場の)均衡では,企業は正の独占利潤をえることはできない」は,正しい。

本日は,ここまで。ちょっとむつかしかったかもしれませんが,一回勉強して,なじんでおけば,本番も怖くない!
今日も,頑張っていこう!
絶対合格!!
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