民法

民法No.82[事例式演習]解答編/桐生祥秀の言葉(2)

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<桐生祥秀の言葉(2)>
「ダメな時に、怒ってくる人が近くにいたので、今までやってこられた」

▼法務省主催の司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!人間、やればできるものである。人間のピークが来た桐生選手に刺激を受け、受験生の君もやれ。

では、昨日の答えを示します。


民法No.82[事例式演習]解答編

まず,Bは手形に裏書人として署名をしている。そのため,Bが裏書人として責任を負担する意思自体はあったということになる。
次に,Eとしては,Bに対し,手形に書かれたことそのまんま(東)の表記を権利として請求するだろう。手形に書かれるのだから当然だ。一方,Bとしては,驚きだ。何せ当初の満期(5月31日)が,いつの間にか6月30日に書き換えられてしまっている(=変造されている)からだ。そのため,Bとしては,「満期は5月31日だ。あなた(E)の請求日(7月1日)は,満期をとうに過ぎているのだけれど。あなたの所持する手形の表記など知らん」と反論したいだろう。つまり,最初に書かれた手形の表記が変更されようとも,Bは,あくまで当初Aの表記に従って責任を負担する旨表明した(=裏書した)に過ぎない。だから,書き換え後の手形上の責任を負うことはないという反論だ。
以上から,当初の手形の表記と書き換え後の手形の表記のいずれを優先させるべきだろうか,という問題が出てくる。
原則としては,あくまで当初の手形上の表記に従うべきだろう。そうでないと,手形の書き換えが当然のように行われることになり,その度に権利義務内容が変わる。このような不安定な手形運用が罷り通っていては,恐ろしくて手形など利用されなくなるだろう。きっと皆自分の都合のいいように,イゴイスチックに書き換えて請求するもの。絶対そうだって。手形法77条1項7号が準用する同法69条は,このことを想定・危惧し,「変造前の署名者は,原文言に従って責任を負う」と注意的に規定する。本件では,ABは,あくまで満期日を「5月31日」として,手形債務(裏書に伴う責任)を負担する心づもりであった。「6月30日」を満期とする意思ではない。つまり,「6月30日」を楽しみにして手形の請求を行うEとの関係では,あくまでBの手形責任負担の意思は効果をもたない。
しかし,「6月30日」を楽しみにしていたEとしてはこのまんま黙っているわけにはいかない。Eは,「払えって言ってんだろ。書き換えの事実など知らん。自分は,あくまで手形の表記を信じてDから受け取っただけだ。これが虚偽というのなら,一体我々は何を信じればいいというのでしょう」とひとしきり演説でもぶつに違いない。このEの反論を受け,Eの取引の安全への配慮が必要となる。具体的には,Eが手形の外観を信じたことを捉え,「権利外観法理によるEの保護の可能性を検討しよう」となる。権利外観法理は手形法でも登場する議論なのだ。ただ,本件で権利外観法理によりEを保護することはできないだろう。Bに虚偽の外観作出の帰責性があるとは言い難いからだ。後から手形を書き換えやすくした,といった事情もない。
ではどうするか。このまんまEはやすやす引き下がるか。まだEを保護するための制度はないか。ある。善意取得(手形法77条1項が準用する同法16条2項)という制度だ。本件では,白地式裏書となっているが,裏書の連続性は否定されない。善意取得の適用のための土壌は整っているわけだ。善意取得制度は手形法プロパーの知識に見えるが,ルーツは民法の即時取得制度だ。そこで,「この善意取得によりEという御方を保護して差し上げることができないか」を検討することになる。
結論としては,善意取得により,Eを保護することは出来ない。その理由は,善意取得の適用場面(治癒される瑕疵の対象)による。善意取得の適用範囲と言われても・・と思われるかもしれないが,何しろ善意取得のルーツは即時取得なのだ。そこで,民法上の即時取得制度の適用範囲(治癒の対象)に沿って考えてみよう。
即時取得制度における治癒の対象は,前主の無権利である。当該法律行為自体の無効ではない。これは,短答式でもよく出題される基礎知識だ。一方,権利外観法理が治癒する対象とは,前主の無権利ではなく,当該法律行為自体の無効である。
そうすると,善意取得により権利外観法理が適用されない場面をカバーすることもできない。本件では,先述のようにBの手形責任の負担意思は,あくまで変造前の手形表記に従う。Eとの関係では効力をもたない。つまり,善意取得制度によって,Eの楽しみを充たすために,Bの手形責任負担の意思を,変造後の表記に従わせること(6月30日満期とすること)はできない。したがって,Eを善意取得により保護することはできない。
また,善意取得制度は,手形の流通促進のための制度である。本件のような既に期限を大幅に過ぎている手形の裏書(期限後裏書)については,もはや手形の流通促進が予定されていない。そうすると,期限後裏書については,善意取得制度の適用は妥当しないことになる。
以上から,Eは,Bに対し,手形上の責任を追及することはできない。


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