商法

商法ドリルNo.2[問題編]

 


株式会社の設立手続に関する以下の【設問】に答えよ。

【設問】
(1)発起人代表が行った,いわゆる「見せ金」に該当する払込みは有効か。
(2)いわゆる「見せ金」に該当する払込みがなされたことにより,会社の設立は無効とな
るか。

【出典】
旧司法試験論文式試験昭和57年度・商法第1問の小問(1)を改題。
【設問】は,発起人代表の払込みが,いわゆる「見せ金」に該当することを前提に,その効
力を検討すれば足りる。これに対し,実際に出題された昭和57年の問題では,発起人代表
の行った払込みが,そもそもいわゆる「見せ金」に該当するかどうか判断することが求めら
れていた。

【分析の視点】
➀小問(1)について
株式会社の設立手続において行われた「仮装払込み」に関する問題である。
いわゆる「見せ金」の効力については,短答式でも頻出の重要論点だ。定義はもちろん,関
連する条文(及びいわゆる「見せ金」が,設立後の会社の財産的基礎に与える影響)を即座
に答えることができるようにしておこう。
②小問(2)について
株式会社の設立において瑕疵があった場合,その瑕疵の設立無効事由該当性の問題である。
まず,無効事由については,会社法上に明文規定が存在しないことを確認する必要がある。
次に,明文規定がないため,解釈によって無効事由に該当する瑕疵を明らかにする(規範の
定立)。その際,想定される対立利益を調整する視点を示すことが重要だ。
規範を定立したら,その規範に照らして検討する。具体的には,いわゆる「見せ金」に当た
る仮装払込みが行われた場合,株式会社の設立のために必要とされる手続中,どの手続と抵
触し得るのか,それは無効事由と評価できるほどの瑕疵かどうかを検討する。
また,設立手続においては,設立後の会社財産の基盤が確保されることが重視されることや
会社設立後は法的安定性が重視される観点から,設立手続の有効性を維持するための手段
も検討すべきである。そこで,事後的な瑕疵の治癒の有無についても言及すべきだろう。

【確認すべき知識】
➀いわゆる「見せ金」の定義(「預合い」との比較対照)
(併せて,「見せ金」該当性の判断基準も
②いわゆる「見せ金」の効力(理由と共に)
③株式会社の設立無効事由が限定されるべき理由
(条文の文言及び対立利益の調整)
④設立無効事由に該当する具体例
資本充実の原則(併せて,その他の「資本に関する諸原則」も)

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