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【法務省発表】
平成30年司法試験予備試験口述試験の結果
合格者数:433人
http://www.moj.go.jp/content/001272054.pdf
合格おめでとうございます!
次は、司法試験。頑張ってください!
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株式会社の設立手続に関する以下の【設問】に答えよ。
会社法名は省略する。
【設問】
(1)発起人代表が行った,いわゆる「見せ金」に該当する払込みは有効か。
(2)いわゆる「見せ金」に該当する払込みがなされたことにより,会社の設立は無効とな
るか。
【解答】
1 小問(1)
➀いわゆる「見せ金」は,無効である。以下,理由を示す。
②見せ金は,形式的に見れば金銭の移動が認められるため,預合い(965条)とは異なる
が,実質的に見れば会社に資金が残らないため,現実的には払込みがあったとはいえない。
そうすると,見せ金は,34条1項が求める設立後の会社の財産的基盤を確保するために必
要とされる「払い込み」に当たらない。
したがって,見せ金は,実質的に見れば,違法な預合いの潜脱行為である。
③よって,「見せ金」は34条1項の「払い込み」に当たらず無効である。
2 小問(2)
➀株式会社設立の無効事由については明文規定がない。設立手続中に生じたあらゆる瑕疵
を無効事由とすると,設立後の会社に関する法律関係を不安定にする。また,828条1項
1号は,会社の設立の無効を一定の「期間」(「二年以内」)に「訴えをもってのみ」主張で
きるとする。さらに,828条2項1号は,主張権者を限定する。これら規定の趣旨は,設立
手続き及び設立後に形成された法律関係の安定を図り,会社利害関係人の利益を保護する
点にある。
以上,法律関係の安定の見地から,設立手続中の重大な瑕疵に限り設立無効事由に該当する
とすべきである。
②では,「見せ金」による払い込みは,設立手続中の重大な瑕疵に該当するか。
ア設立手続は,設立後の会社財産の基礎を確保することを目的とする。27条4号は,「設
立に際して出資される財産の価額又はその最低額」を定款の絶対的記載事項とするが,これ
は出資財産を確実に拠出させることで,設立後の会社財産の基礎を確保するためである。そ
うすると,見せ金による払い込みの無効が生じ,出資財産が最低額を下回る場合,会社財産
の基礎が確保できず,設立手続の目的が実現できなくなる。そのため,設立手続中に重大な
瑕疵が存在するといえる。
イもっとも,払込みを仮装した場合,発起人は52条の2第1項により支払責任を負う。か
かる支払責任が会社設立無効の訴えの口頭弁論終結時までに履行されれば,設立手続上の
瑕疵は治癒されるとすべきである。これにより会社財産の確保が図られると共に,形成され
た法律関係の安定を図ることができるからである。
③以上から,上記無効事由が認められ,かつ瑕疵の治癒が認められない場合は,会社の設立
の無効事由に該当する。 以上
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