民法

【事例式演習①】解答編/湯川秀樹の言葉(2)


 司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!大きな社会的価値は、いつも少数派から生まれる。大事業や大発見は、1人かほんの少数の人間から、なされる。日本人で初めてノーベル賞を、もらった湯川秀樹も、こう言っている。

<湯川秀樹の言葉(2)>
「真実は、いつも少数派」

▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!司法試験・予備試験の世界でも同じだ。“合格”という真実(?)は、少ないグループから生まれる。合格率が20%を超えても、一応、少数派である。多数派は、いつも不合格になる。だから、君は、いつも多数派の勉強をしていては、いけないヨ。
 では、昨日の答えを、示します。


民法No.57【事例式演習①】解答編
1 ⅰの場合について
(1)合意解約の効力は、Cに及ぼすことはできない。
(2)AB間の賃貸借契約(民法(以下、略)601条)が合意解約されると(540条1項)、AB間の賃貸借契約は、その効力を将来的に失う(545条1項本文・620条1項)。そうすると、AがBに対して行ったCへの転貸借の「承諾」(612条1項)も効力を失うことになるので、Cの転借権は正当化根拠を失い、Aに対抗できないかに見える。
  しかし、AのBに対するCへの転貸借の「承諾」は、AB間賃貸借契約における「第三者」Cに対し、甲建物の転借権という法的地位を「給付」する点で、537条1項の規定する第三者のためにする契約に類する構造をもつ。そうであれば、「第三者」Cのために発生した「権利」である甲建物の転借権を、Cの同意なく一方的に、ABがCを退去させる形で「変更」あるいは「消滅」させることはできない(538条類推適用)。
2 ⅱの場合について
(1)合意解約の効力は、Cに及ぼすことができる。
(2)ⅱの場合、Aが、従前のBの地位(Cの転貸人としての地位)を承継するので、ⅰの
 場合と異なり、Cは甲建物から退去する必要はない。このことは、AB間の合意解約がな
されても、Aが今後も、従前通りCに甲建物の賃借人としての使用収益権を認める点で、
実質的にAのBに対するCへの転貸借への「承諾」が消滅しないことと同義である。
 他方、Cにとっては、賃貸人がBからAに移転することになるが、Cの同意がなくとも、
賃貸人はBからAに有効に移転し、Cの賃貸人はAになる。
賃貸借契約における賃料支払債務は、賃貸人が賃借人に対し目的物を「使用収益させるこ
と」に対して、「その賃料」を支払う債務として負担されるのである。賃貸人が誰であるかは、同「債務の要素」(513条1項)ではないので、「債務者」たる賃貸人の「交替による更改」は観念されない。そのため、賃貸人たる地位の移転に際し、「債権者」たる賃借人の意思を、同人の同意を要求する形で反映させる必要はない(514条本文参照)。
 したがって、Cの転借権は消滅しないので、538条が想定するような、AB間による一方
的な、「第三者」Cの転借「権」を「変更」あるいは「消滅」させる事実は存在しない。
                                 以上(892文字)
 [留意事項]
 事案を捨象して、「合意解約の効力は転借人には及ばないことが原則である(私的自治)」という論述を見かけることがあるが、必ずしも正確ではないと思う。また、事案を意識することなくこのような表現をすることは、「原則(例外)」を示すこと自体が目的化してしまっている印象を受ける。何が「原則」かは、事案と該当する条文の適用関係によって決まるからだ。あくまで事案と関連する条文を丁寧に示すことに意識を向けよう。
 また、「賃貸人たる地位の移転」における「賃借人の同意の要否」における理由付けとして、「(賃貸借契約における債務は)没個性的な債務」というワードのみで済ませるのでは足りない。「没個性的」であることの法的な根拠を示さなければ、「単に暗記したマジックワードを書いただけ」である。条文に基づく法的な根拠を捨象したままでは、いくら必要性や不都合性を厚く書いたとしても、説得力のある理由付けとはいえないだろう。条文を引用せずに、あるいは条文から離れた価値判断を強調するだけの長々とした論述は、どこか無理をしている場合が多いので、疑ってみるべきである。


▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!少数派ということは、エリートになる可能性がある証拠だ。多数派は、パッパラパーになるおそれがある証拠。君は、コツコツ少数派でいってもらいたい。そして、この社会で、面白い仕事をなし遂げてください。
 さあ!今日も面白く、やりまくろう!“爆勉”しよう!行け!絶対合格!!
▼本日も、ブログ記事を読んでいただき、ありがとうございました。あなたの1クリックは、わしが記事を書く、大きな原動力となります。以下のバナーをクリックして、ランキング・アップに、ご協力ください。
にほんブログ村 資格ブログ 司法試験へクリック、ありがとうございます。
また、明朝4時に、「司法試験ブログ・予備試験ブログ」でお会いしましょう!
▼本日午前4時更新の「合格ブログ(成川豊彦日記)」は、司法試験・予備試験の受験生にも参考になるので、ぜひ、ご覧ください。
【成川先生の合格語録】
「少数派であることに、誇りをもつ!」
【司法試験・予備試験の個別指導予備校「スクール東京」のおトク情報】
 ● メールマガジン登録
 ● フェイスブック
 ● ツイッター
 ● お悩みやご質問は、お気軽に成川先生へのメール」まで。
 ● 全国どこでも、講演に駆けつけます! お気軽に成川先生・講演のご依頼」まで。

【事例式演習①】問題編/湯川秀樹の言葉(1)前のページ

注!予備試験・口述で落ちるパターン!次のページ

ピックアップ記事

  1. 今、丸坊主になってきました!スカッとします!!

関連記事

  1. 民法

    合格と生活は、同じ / 柔道家・鈴木桂治さんの言葉(1)

    司法試験・予備試験の合格を、決める君よ! 勉強が出来るようになることの…

  2. 民法

    司法書士受験生も、“体系別”を

    司法試験・予備試験の合格を、決める君よ! 司法書士を受験している女性が…

  3. 民法

    【法務省発表】 / 分割債務と不可分債務 / 柔道家・野村忠宏選手(五輪3連続・金メダリスト)の言葉…

    司法試験・予備試験の合格を、決める君よ! 昨日、法務省より、「平成27…

  4. 民法

    【法務省発表】 / 本日、予備試験「論文」合格発表⇒口述模試 / 明渡・請求(解答) / 秋山選手(…

    司法試験・予備試験の合格を、決める君よ! 昨日、法務省より、「再発防止…

  5. 民法

    不動産の二重譲渡と借家権 / 岡倉天心(思想家)の言葉(2)

    ―――――――――――――――――― ● 年末年始集中!短答「点…

  6. 民法

    力道山の言葉(1) / 有償寄託契約

    司法試験・予備試験の合格を、決める君よ! 大好評の「7科目・パーフェク…

令和5年(2023年)単年版 司法試験・予備試験 短答 過去問集 発売開始

2024年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

アーカイブ

PVアクセスランキング にほんブログ村

PAGE TOP