【設問1】
取締役会設置会社における代表取締役の代表行為に関する次の記述について解答せよ。
(1)取締役会において代表取締役の代表権に制限が加えられていたとする。
➀この場合の代表取締役の行為の対外的な効力につき原則どのように解すべきか。
②代表権の制限の存在につき善意の者との関係では,代表取締役の行為はどうか。
(2)会社法の規定に基づき取締役会の決議を経なければならないにもかかわらず,これを経ないで代表取締役が会社を代表して第三者と契約を締結したとする。
➀この場合の代表取締取締役の行為の対外的な効力につき原則どのように解すべきか。
②第三者との契約が無効となる場合はどのような場合か。
③取締役会決議を経ていないことを理由とする代表取締役の取引を無効とした場合,かかる無効の主張権者は誰か。
【設問2】
監査役設置会社において,株主が取締役の責任を追及する訴えを提起した。
(1)この場合,株主は誰に対して提訴請求すべきか。
(2)仮に株主が,代表取締役に対して提訴請求したとする。
➀この場合,提訴請求は原則として適法か。
②この場合,提訴請求を適法とする法律構成はどのようなものか。
【出典】
設問1については,短答式試験18-45,旧司法試験論文式試験昭和63年度第1問等を
簡易アレンジして出題。
【分析の視点】
代表取締役が(1)内部的制限(内規等の会社内部のルール)や(2)会社法規定の制限(取
締役会決議を経ること)に違反した場合のそれぞれの効果に関する問題である。(1)(2)の
異同は,短答式・論文式問わず重要である。しっかり整理しておこう。
「形式と実質」「原則例外」といった,シンプルな判断枠組みを用いて分析・整理すること
も大切だ。
【押さえておくべき知識等】
【分析の視点】で紹介した(1)(2)において登場する知識や考え方を押さえておこう。
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