民事訴訟法

民事訴訟法テストNo.5[解答編]/翁長雄志の言葉(2)

 


・沖縄とその他の本土との違いは、歴史的・政治的・軍事的などにも、議論しなければならない点が多い。その際、沖縄の歴史を、まともに受けとめて、検討すべきである。

その際、このほど亡くなられた沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事の言の葉が、胸にささる。

<翁長雄志の言葉(2)>
「何だ、本土の人はみんな一緒じゃないか」

・政権党・野党をとわず、本質的な議論をしてもらいところである。あなたも、合格後、大いに、論を述べてもらいたいものです。

では、昨日の問題の答えを示します。


民事訴訟法テストNo.5[解答編]

次の記述について解答せよ。

【問➀】債権者代位訴訟において,債務者に帰属する債権の弁済期が未到来であることが明らかとなった。この場合,裁判所はどのような判決をすべきか。
【解答】裁判所は,請求棄却判決をすべきである。本問のような債権者代位訴訟における「債務者に帰属する債権」に係る裁判所の判断は,本案の判断である。そのため,本問では,「債務者に帰属する債権が未到来である」ことが明らかとなったのだから,裁判所は,本案判決としての請求棄却判決をすべきことになる。
【問②】債権者代位訴訟において,被保全債権がないことが明らかとなった。この場合,裁判所はどのような判決をすべきか。
【解答】裁判所は,訴え却下判決(訴訟判決)をすべきである。本問の場合,【問➀】と異なり,そもそも訴訟要件(=被保全債権が存在すること)を欠いていることが明らかとなったので,裁判所は訴えを却下(不適法却下)すべきことになる。
【問③】弁論主義の第1原則の定義
【解答】弁論主義の第1原則とは,裁判所は,当事者の主張しない事実を認定して判決の基礎としてはならないことをいう(主張責任)。
⇒対象となる「事実」の意義や「主張共通の原則」等といった周辺知識についても併せて確認しておこう。
【問④】裁判上の自白がなされた場合,その自白の裁判所拘束力が発生する範囲
【解答】主要事実についてのみ自白の拘束力が認められる。
⇒裁判上の自白は,弁論主義の第2原則から導かれるものであり,弁論主義を支える根拠は当事者の意思の尊重にある。そうすると,当事者の意思の尊重という見地から,主要な争点となる主要事実についてのみ自白の拘束力を認めれば充分となる。換言すれば,間接事実や補助事実といった主要事実の存否を推認させる点で証拠と同様の機能を果たす事実について自白による裁判所拘束力を認めると,裁判所に不自然な事実認定を強いることになり,自由心証主義(247条)に反する。
【問⑤】処分権主義の定義
【解答】処分権主義とは,当事者に,訴訟の開始,審判対象の特定やその範囲の限定,更に判決によらずに終了させる権能(処分権能)を認める建前をいう。
⇒要するに,訴訟を開始したり,その範囲を確定させたり,訴訟を自由に終了させたりする「権利」は,当事者が有しかつ自由に「処分」できるということである。
「弁論主義と処分権主義との関係」についても考えてみよう。
【問⑥】証明責任の定義
【解答】証明責任とは,ある主要事実が真偽不明である場合に,その事実を要件とする自己に有利な法律効果が認められない一方当事者の不利益ないし危険をいう。
⇒証明責任は,主要事実が存否不明の場合でも裁判を可能にするための法技術である。ここでも「主要事実」が対象となっていることに注意が必要である。

【「掘り下げてみる」ことの重要性と注意点】
過去問については,一つの問題を多角的な視点からある程度の時間を掛けてじっくり分析することも大切だ。そうすることによって,必要な知識を実践的な形で身に付けることができるからである。
ここでスク東先生(以下,「先生」という。)である。先生のブログでは,「掘り下げて考えてみよう」ということがしばしば強調されているように,ある年度の問題の一つの記述(いわゆる“肢”)につき,しっかり時間を確保して検討・解説がなされている。
「掘り下げる」ことの具体例としては,「原則であればその例外も併せて考えてみる,抽象的な概念については具体例を挙げてみる,周辺事項まで拡げて押さえる,前提を変えて考えてみる・・」等々である。とりわけ先生が重視しているのは,「具体な事実をイメージする」であろうか。例えば,先生のゼミでは,民訴の「二段の推定」につき「印章・印影とは」「印鑑とは」を身近な例を出してしっかり解説する。身近な例を想起すると,インパクトをもって知識を身に付けることができる。苦手分野であれば,心理的抵抗がだいぶ軽減され,得意分野にすることもできるだろう。
その他,同ブログでは短答式過去問の活用方法についても折に触れて言及しているので,ぜひ参考にしてみよう。
もちろん,「掘り下げる」とはいっても,その目的は,試験問題について正答を導くことである。このことは常に念頭に置くべきだろう。また,単に「考える」だけでも物足りない。「考える学習をしよう」は大切なのだが,「とにかく考えることこそ大切だ」となって気合が入り過ぎるとかえってよくない。「本問を解くための知識を得るためには,何をどこまで知っている必要があるか,そのためにはどうすればいいのか。」という視点をもたないまま「考える」ことに時間を費やしても,堂々巡りになるばかりでかえって身になることは少ないからだ。試験の現場で「考えたはずなのに,分からない。もう一度考えよう・・」となって焦り,いたずらに時間を費やしてしまっては元も子もない。
試験問題を解くための作業においては,技術的な要素も強い。そのため,「考えるより体が勝手に動く」ための練習も必要だ。「しっかり考えたのだから,覚えなくとも試験現場ではすぐに想起できる」などと甘い期待をせず,「覚える」「反射的に解答できるようにする」ことも意識的に行うべきだろう。換言すれば,「考える」際には着目点をしっかりさせないといけないということであり,手順を確立させる必要があるということだ。「知識を定着させる」「問題を解く視点を得る」ことを目的とすべきであって,くれぐれも「考えること」に満足しないよう注意しよう。


・今日の翁長知事の言葉に関連して、東京にいると、地方のことが、軽く見えることがあります。困ったことです。心したい。

あなた、絶対合格!!

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