刑法

不作為犯/高杉晋作の言葉(2)


 司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!9月になった。まだ、暑いが・・・。たまに、異性と話し合うのもいい。勉強に差し障らない程度に、心を和ますのもかまわない。「しょせん、この世は、男と女だ」もの。この点、幕末に奇兵隊を結成し、天下を揺り動かした高杉晋作も、29才にして、こころえたものである。

<高杉晋作の言葉(2)>
「三千世界のからすを殺し、主と朝寝がしてみたい」

▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!生か死かの世界で活躍している人は、異性に安らぎを求めることがある。受験生の君も、そのうち、経験してください。
 では、昨日の答えを示します。


刑法【解答】No.27
1.XはYに立腹し、木刀で多数回にわたってYを殴打した結果、Aに意識が判然とせず自力で立ち上がることもできないほどの重傷を負わせており、この行為は傷害罪の構成要件に該当する。
 また、木刀で多数回にわたり人を殴打すれば、その対象に傷害の結果が生じることはXにおいても容易に想像できることから、Xには少なくとも傷害罪(204条)の未必の故意があったといえる。
 したがって、かかるYの行為につき、傷害罪が成立する。
2.YはXにより重傷を負わされた後、Xが救急車を呼ぶ等Yの救命のための適切な措置を採らなかった結果、死亡するに至っているといえる。したがって、かかるXの行為につき、殺人罪(199条)が成立するとも思える。もっとも、本問におけるXの行為は、救急車を呼ぶ等の適切な措置を採らなかったという不作為であることから、この行為に殺人罪の実行行為性を肯定できるかを検討する。
 Xは自らの行為によりYに重傷を負わせていることから、先行行為があるといえる。さらに、自力で立ち上がることもできないほどの重傷を負った人間が一般人の目に留まれば、通常救急車を呼ぶ等の救命措置がなされることが期待できるにもかかわらず、Xにより錠剤が投与された場所は一般人の目に留まるような場所ではなかった。したがって、XはYの生命を具体的・現実的に支配していたといえる。よって、Xには適切な救命措置を採るべき作為義務があったといえる。
 また、救急車を呼ぶことが困難なほどの状況下でもないことから、Xには適切な救命措置を採る作為の容易性、及び作為の可能性があったといえる。さらに、Yは重傷を負わされており、XはYの生命を排他的に支配しており、かつ適切な救命措置を採ることが容易かつ可能であったXが適切な救命措置を採らないことは、作為によりYを殺害することと同価値性を有するといえる。
 よって、かかるXの不作為は殺人罪における実行行為にあたる。
 次に、YはXが適切な救命措置を採らなかったことにより死亡しているが、Xによる暴行後直ちに適切な救助措置が施されていれば、十中八九、Yの救命は可能であったといえ、さらにXによる当該不作為の結果Yが死亡することは、社会通念上相当であるといえる。
 
 したがって、Xの行為とYの死との間の因果関係も存在する。そして、XはYが死亡することもやむを得ないと思っていることから、Xには殺人罪における構成要件的故意(未必の故意)も認められる。
 したがって、Xの不作為には殺人罪が成立する。
 以上より、Xには傷害罪(204条)、殺人罪(199条)が成立し、両罪は包括一罪となり、Xはその罪責を負う。
【注】
 傷害と死亡との間に条件関係はあるものの、その間にもう一つ行為(不作為の放置)が入るので、最後の行為(不作為の放置)と死亡との結果を見ることになるので注意したい。
 また、「シャクティパット事件」最決平17.7.4も確認しておこう。
 不作為犯とその因果関係は短答・論文ともに頻出の単元であるので、正しい理解を目指したい。不真正不作為犯の成立要件と、そのあてはめ・事実の評価の練習もしておきたいところである。


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