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「医学部受験ブログ開設にあたり」
このブログは、あなたの医学部合格のために必要な情報を絞ったものです。「面白い」「合格できる」が、ポイントです。私の受験時代を含めたら60年間のノウハウを公開します。将来、医師になられる高校生や浪人生に、心を込めて合格の「心の科学」を提供いたします。午前4時から、お楽しみに!
スクール東京
最高名誉顧問
成川豊彦
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法務省主催の司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!
カキ養殖漁業家であり、エッセイストでもある宮城県気仙沼の畠山重篤さんは、自然を通じてものごとを深く見ておられる。こんなことを、言われた。
<畠山重篤の言葉(2)> |
「森は、海の恋人である」 |
▼法務省主催の司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!
海がきれいということは、森からの水、植物、植物性プランクトンなど種々の恵みがあるからである。
では、昨日の答えを、示します。
刑法テストNo.2[解答編]
参考文献等
前田=池田=松本=渡邉=大谷=河村・条解刑法第2版(弘文堂・2007)
山口厚・刑法第2版(有斐閣・2011)
スク東先生・スク東先生ブログ(スク東先生・2016~)
①不真正不作為犯における「不作為」の定義。
【解答】期待された行為(侵害の危険にさらされた法益を保護するために要請される作為)に及ばないことをいう。
⇒「構成要件的結果発生回避のために講ずべき措置・作為」という視点が重要である。不真正不作為犯の成立要件である「作為義務」は,上記の「期待された一定の行為」に及ぶべき法的義務である。「不作為」とは,作為に比べて不定形である。そのため,この法的義務の特定によって不真正不作為犯の実行行為を限局化(=作為による構成要件的結果の実現と同視できるかどうかという基準。「構成要件的同価値性」である。)しないと,処罰範囲が拡大し,刑法の自由保障機能が害されてしまう。また,不真正不作為犯の成否の検討を検討するにあたっては,構成要件的結果惹起との関係で,当該行為が作為なのか不作為なのかを区分することも重要だ。論文式試験の問題で,不作為犯の成否が問題となるケースでは,「作為と不作為の峻別及び特定」に意識を向けてみよう。
②放火罪の不真正不作為犯の故意が認められるためには,既発の火力を積極的に利用する意思が必要である。
【解答】誤っている。①の「不作為」の定義を意識すれば,構成要件的結果回避のために講ずべき措置・作為に及ばないことの認識・認容があれば足り,既に生じている構成要件的結果発生の危険を積極的に利用する意思までは不要である。
③不作為犯の因果関係の有無を判断する際の基準として,判例はいわゆる「危険の現実化」の理論を用いていない。それはなぜか,①を踏まえて解答せよ。
【解答】①で述べたように,不作為とは,「構成要件的結果回避のために期待された行為に及ばないこと」である。そうすると,不作為犯における因果関係の有無の判断においては,「期待された行為に及んでいたら,構成要件的結果が回避されたかどうか。法益は保護されたかどうか」という仮定的視点が用いられる。
④「正犯」の定義。
【解答】自らの意思で犯罪を実現し,第一次的な責任を負う者をいう。
⑤間接正犯の「正犯」性は,どのような場合に認められるか。
【解答】行為者が被利用者に対して行為支配性を有していること,他人の犯罪を自己の犯罪として実現する意思を有している場合に認められる。
⇒間接正犯は,他人の行為を利用して「間接」的に自己の犯罪を実現する概念である。そのため,「他人の行為を支配することによって,自己が意図する法益侵害結果を惹起する」という視点が重要となる。上記③によれば,直接手を下さなくとも,被利用者を通じて(間接的に)法益侵害結果を誘発する因果経過を実質的に支配し,自己の犯罪事実実現の目的を遂げた者も正犯といえる。
⑥急迫不正の侵害に対する反撃行為が,自己または他人の権利を防衛するために相当性を有する以上,反撃行為によって予想外の重い結果(守ろうとした法益と権衡の取れない法益侵害結果)が生じた場合でも,正当防衛(36条1項)が成立する。それはなぜか。緊急避難(37条1項本文)との違いを踏まえて答えよ。
【解答】正当防衛においては,権利(法益)を保護する防衛行為者に,不正な侵害者との関係で,優越的な地位を認めることができる。そのため,法益衡量の原理に立つ緊急避難とは異なり,正当防衛における防衛行為の相当性を判断する上で,防衛行為により回避しようとした法益侵害と実際に生じた法益侵害の均衡は要件とされていない。以上のことは,正当防衛と緊急避難それぞれを規定する条文の文言の違いとしても顕在化している。
⑦Zは,電車内にて,近くに立っていたTの尻ポケットを見ながら,「ポケットの中に財布が入っているんだろうか。ここは一つ確認してみるにしくはない。もし財布が入っていたら取ってやろう。」などと考え,Yがスマートフォンに搭載されたゲームに一心不乱に興じていることを奇貨として,Yの尻ポケットに手をあてて財布があるかどうかを確かめた。その直後,Zは,背後で警戒中のGパン刑事のような私服警官(以下「Gパン」という。)に窃盗未遂罪の被疑事実で現行犯逮捕された。Zは,Gパンに対し,「私の行為は,いわゆる『あたり行為』に過ぎず,窃盗罪の実行の着手にあたることはありません。判例等をご確認いただければ幸いです。ご不便をお掛け致します。」などと弁解し,被疑事実を否認した。このZの弁解は正しいか。
【解答】正しくない。確かに,「あたり」行為の段階ではいまだ予備的行為に止まるかにみえる。しかし,本件のZのように,「あたり」行為によって財物の存在が確認でき次第,そのまんま窃取に及ぶような場合には,「あたり」行為の段階でも実行の着手が認められる場合があろう(併せて「実行の着手」の議論も確認しておこう。)
[注]上記いずれも短答式・論文式(予備試験であれば,口述も含む)問わず重要な事項である。
【短答式問題解法】
「試験で大切そうなことは,スク東先生ブログがだいたい教示」
「試験で大切そうなことは,スク東先生ブログとだいたい同じ」
短答式試験問題を確実に解くためには,いわゆる「テクニック」も大切だ。例によってスク東先生(以下「先生」という。)のメッセージを題材に解答の視点を確認しよう。
最近の先生はブログにおいて,「民法短答式過去問の実践的解答方法」を紹介している。「実践的解答方法」とは,「テクニック」と呼称される解答のための方法論のことである。試験対策における「テクニック」というと,どうしても「小手先」「小賢しい」「しゃらくさい」「表面的」といったネガティヴでせこいイメージがつきまとう。しかし,先生がブログ上で開陳されているテクニックは,あくまで「基礎知識を活用するための解答技術」と称すべき堅実なものである。詳細は,先生が毎日更新されているブログを参照して確認していただきたいところだが,せっかくなので不肖筆者が,畏くも先生に代わって簡潔に解説しよう。先生が披露する短答式過去問の解答技術の核をなすのは,以下の2つだ。「肢の長短に注目する」「背理消去法を駆使する」である。それぞれ見て行こう。
まず,「肢の長短に注目する」というのは,「短い肢が取り組みやすく,切りやすいのでここから攻めるべき。」ということだ。より具体的に分析するとこういうことだろう。問題文を見た時,「長い肢は視覚的にも強面の大将クラスなので,パッと見ただけで戦意が削がれる。勢いでそのまんま突っ込んでしまえば,敵の術数に嵌まり込んで混乱のうちに退却あるいは滅亡を余儀なくされる。だからむやみに戦いを挑むことはご法度である。半面,短い肢は,その多くが足軽クラスの雑兵なので容易に蹴散らすことが可能だ。失点を回避するためには,こうした雑兵を蹴散らすことに集中されよ。『強い敵ほど燃える』などというナルシシズムをもつな。」というのが,先生のメッセージである。
ところで,これまで筆者は短答式の問題について言及する際「肢を切る」という表現をできるだけ避けていた。「肢」は,「四肢」という言葉もあるように,身体の部分を表す言葉である。そんな「肢」を「切る」なんて,物騒なこと甚だしいと戦慄を覚えていたのだ。正直,先生に対して「こんな野蛮な言葉を平然と無自覚に用いるなんて・・」と,驚きを禁じ得なかったことも事実だ。しかし,先に述べたように,先生が開陳されるテクニックは,試験本番といういわば「合戦場」における「戦陣訓」「兵法」のようなものである。合戦場では,むしろ多少の野蛮さだって必要だ。たかが言葉が物騒な位で臆病風に吹かれていては失点を重ねるばかりである。「短い肢」という名の「雑兵」を切り(斬り)まくらねば点は取れない。つまり,「肢を切る」という言葉は,試験現場において「何としてでも勝つ」という心構えを象徴する言葉であったのだ。また,この言葉が,先生の試験に対する秋霜烈日の如き厳格な姿勢の一端を教えてくれた気さえする。このことに気付いた筆者は,己の甘さに恥じ入るほかなく,向後は厳しさを獲得すべく問題解説の折,「肢を切る」という言葉を思い切って(20回に1回程度は)用いてみよう・・と思うのだ。なお,一点だけ付け足し程度の注意をしておきたい。それは,問題によっては,「雑兵のような容貌をもつ短い記述・・いや,肢」が,実は「大将クラス」の戦力(難しさ)をもつことがしばしばゆえ,充分気を付けようということだ。逆もしかり。問題文を「長短」という容貌だけで判断するのは時に危険を伴うものである。ぜひ,「今日も荒れたオフロードを行く」先生の技術を参考にしたい。
次に「背理消去法」・・と行きたいところだが,残念ながら時間が来てしまったようだ(って何時だよ・・)。ゆえに次週に続く。それではまた次週,お楽しみに。
▼法務省主催の司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!
彼を知る人たちはいう。
「悪いものから、良いものは生まれない」
「大切に育てたものには、かなわない」
予備試験・司法試験の関係者にも、聞いてもらいたいセリフである。
さあ!今日も、面白く進もう!絶対合格!!
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また、明朝4時に、「司法試験ブログ・予備試験ブログ」でお会いしましょう!
▼本日午前4時更新の「合格ブログ(成川豊彦日記)」は、司法試験・予備試験の受験生にも参考になるので、ぜひ、ご覧ください。
【成川先生の合格語録】
「悪いものから、良いものは生まれない!」
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