民事実務基礎

民事実務基礎No.5[解答編]/池江璃花子の言葉(2)

 


・よい成果を達成するためには、シャープな準備が必要である。日本水泳界のホープ、池江璃花子(りかこ)選手も練習好きである。

苦しいことも、楽しいことへの一歩であると思って、頑張っている。しかし、結果が出ると、喜びもひとしおである。

<池江璃花子の言葉(2)>
「金メダルをとると、疲れも吹っ飛んでしまう」

・まだ、18才の彼女は、これからの選手。いつか、世界新記録に届くであろう。予備試験・司法試験の受験生のあなたよりも、少し若い彼女は頑張っている。

では、昨日の問題の答えを示します。


民事実務基礎テストNo.5[解答編]

次の記述について解答せよ。
【問➀】所有要件の構造においては,過去のある時点における所有権の取得原因を主張立証することになる。その理由はどこにあるか。
【解答】現在(口頭弁論終結時)における所有権の存在を立証することは困難である。また,過去のある時点における所有権の取得原因(例えば売買契約等)を主張・立証することができれば,いったん取得した所有権の喪失事由のない限り現在(口頭弁論終結時)もその者に所有権が帰属するものと扱われる。そのため,過去のある時点における所有権の取得原因を主張立証することになる。ちなみに,「過去のある時点」を特定する際に役立つ概念が権利自白である。権利自白は,「過去のある時点」が際限なく遡ることを防止し,所有権の立証を容易にする機能をもつ。
【問②】物権的請求権における発生要件として「占有」がある。この「占有」は,いつの時点で必要か。理由と共に答えよ。
【解答】口頭弁論終結時において必要となる。物権的請求権の目的は,物に対する円満な支配に対する現在の妨害状況(現在の占有)を排除する点にあるためである。
【問③】対抗要件の抗弁の要件について権利抗弁説に立つ場合,民法177条「第三者」に当たることに加え,どのような要件が必要となるか。
【解答】相手方が対抗要件としての登記を具備していないことが要件として必要となる。スク東先生流に倣って権利抗弁説をイメージすれば,「あなた,登記を具備してないでしょ。私はそんなあなたを正当な所有権者と認めない。文句があるんだったら,さっさと登記を具備すればよかったじゃないですか。」という感じか。
【問④】即時取得(民法192条)成立の要件として,前主が無権利者であることが必要か。理由と共に答えよ。
【解答】必要ではない。即時取得の趣旨は,動産に対する前主の占有という外観を信頼した者を保護することにある。そのため,前主に関する要件は「動産に対する前主の占有」だけで足り,前主が無権利者であることは要件とされない。
【問⑤】即時取得における無過失の意義
【解答】動産の占有を始めた者において,取引の相手方がその動産の権利者であると信ずるにつき過失がなかったことをいう。
【問⑥】賃貸借契約終了に基づく目的物返還請求権としての土地明渡請求権を訴訟物とした場合の請求原因においては,賃貸借契約に基づいて土地を引き渡したことが必要とされる。その理由は何か。
【解答】確かに賃貸借契約は諾成契約であり,当事者の合意のみで成立する。しかし,賃貸借契約の目的物の返還を請求するには,賃貸人が賃借人に対し契約に基づいてその目的物を使用収益可能な状態に置いていたことが前提になるのである。そのため,賃貸借契約に基づいて土地を引き渡したことが必要とされる。
【問⑦】賃貸借契約終了に基づく目的物返還請求権としての土地明渡請求権を訴訟物とした場合,相手方の土地占有は要件となるか。理由と共に答えよ。
【解答】土地占有は要件とならない。賃貸借契約の終了に基づく土地明渡請求の場合には,賃借人は賃貸人に対し,賃貸借契約の内容を構成する義務としての賃貸借契約の目的物として引渡しを受けた土地を返還する義務を負っている。そのため,賃借人が借り受けた土地を占有していることは,賃貸借契約の終了に基づく土地明渡請求権の発生要件ではない。上記問②の物権的請求権と比較しながら,理由付を押さえておこう。

【スク東先生ゼミの効用概観】
スク東先生(以下,先生という。)はブログばかりでなく,ゼミも主宰している(名称は「スク東先生によるフォローゼミ」)。ブログ同様,短答式過去問を,じっくり検討する方式のゼミである。特に普段独りで勉強している人にとっては,ゼミに出席して先生との対話及び議論をすることで,自らの知識や視点をチェックすることができるだろう。また,他の受験生と親しく交流し,刺激を受けることのできる貴重な機会にもなる。
また,ゼミの効用として,基本書等のテキストを読んでいるだけではなかなか得られない視点を身に付けることができる点も見逃せない。ゼミに定期的に出席することで学習意欲が刺激され,勉強のマンネリ化を防ぐこともできる。
ところで,抽象的な概念を押さえるには,具体例を想起してみることが有効だ。ところが基本書等を始めとするテキストには,分かりやすい具体例が意外と載っていないものである。
あるいは,自分にとって知りたい事項がさらっと流されてしまっている場合も珍しくない。そこで先生の出番だ。先生は,時にマニアックあるいはトリッキーな具体例を出す等の離れ業を駆使して,熱情的でインパクトのあるゼミを実現してくれる。
とはいえ,ゼミに限ったことではないが,復習をしなければ効用も半減してしまう。「ああ色々考えた。具体例を知って面白かった。」で終わらせず,ゼミで扱った事項の理論的裏付けをテキスト等に戻って確実に行い,更に関連事項も確認するといったフォローの作業が不可欠だ。その過程で疑問点等が生じたら,まず自分で調べて考え,それでも分からなければ次回のゼミで解消する。ベースとなるのはあくまで自学習であり,ゼミは自学習の発展を補助する手段・きっかけとするが吉である。


・いつも、世界を見つめている、彼女に負けないで、あなたも受験で勝負してほしい。ただし、日々の練習では、面白く、やりましょう。体に気をつけて…。

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