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司法試験・予備試験の合格を、決める君よ! 人生でも受験でも、人間は、過ちを犯すことが、時々ある。ただし、過ちは、直せばいいのである。クヨクヨしないこと。この点、作家の山本周五郎は、次のように言っている。
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<山本周五郎(小説家)の言葉(2)>
「心に傷をもたない人間が、つまらないように、過ちのない人生は、味気ないものだ」
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▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ! 受験における過ち、つまりミスは、多々ある。しかし、ミスを犯すたび、改善して行けばいい。わしが提唱する“失敗ノート”や“ストック”というのは、そのミスの集大成として録するものだ。大いに、活用してもらいたい。
では、昨日の答えを、示します。
【解答】刑法No.18
文書偽造罪は、文書に対する公共の信用を保護法益とするものである。文書の内容や、名義人や作成人を偽るような、真正ではない文書を作成すると、一般人は、それを真正に作成された文書と誤信するおそれがある。したがって、偽造とは、「名義人と作成者との人格の同一性を偽ること」をいう。
① 自分のパスポートの写真を勝手に貼りかえた。
→文書の同一性を失わせることが、文書に対する公共の信用を保護法益とする文書偽造罪の行為にあたる。つまり、権限のない者が、既存の文書を改ざんした場合において、文書の「本質的部分」に変更を加えて、従来の文書との同一性がなくなり、新たな証明力を有する文書を作出することは、「偽造」にあたると解すべきである。また、権限のない者が、既存の文書の「非本質的部分」に変更を加えて,新たな証明力を有する文書を作出する行為が、「変造」である。
→パスポートにおける写真は、写真を用いて身分証明や渡航許可を判断されているのであり、写真は文書の「本質的部分」であるといえる。
→行為者は写真を貼り替えることによって、文書の本質的部分に変更を加えている。したがって、かかる行為は「偽造」にあたる。
② 郵便貯金通帳の「貯金者」欄の記載を他人の名前に変更した。
→郵便通帳においては、「貯金者」欄の記載を見て、貯金についての権利の主体を判断するのであり、「貯金者欄の記載」は文書の「本質的部分」であるといえる。
→行為者は貯金者欄の記載を変更することによって、文書の本質的部分に変更を加えている。したがって、かかる行為は「偽造」にあたる。
③ 有効な借用証書の金額を変更した。
→借用証書においては、誰が誰から金員を借りているか、ということが文書にとって重要である。したがって、金額を変更したことは、文書の「非本質的部分」に変更を加えたことになる。
→そして、一般人から見れば、以前とは異なった新たな証明力(=金額が変更された借用証書)を有する文書と誤信してしまうことになる。したがって、金額を変更する行為は、既存の文書の「非本質的部分」に変更を加えて、新たな証明力を有する文書を作出する「変造」に当たる。
④ 郵便貯金通帳の「貯金預入年月日」を改ざんして別の日にした。
→郵便貯金通帳にいては、「貯金者」欄の記載を見て、貯金についての権利の主体が判断されており、それとは関係がない「貯金預入年月日」は文書の「非本質的部分」であるといえる。
→したがって、「貯金預入年月日」を改ざんする行為は、既存の文書の「非本質的部分」に変更を加えて、新たな証明力を有する文書を作出する「変造」に当たる。
⑤ パスポートの有効期間が経過した後、その有効期間を延ばすため、発行年月日を改変した。
→パスポートにおいては、本人の識別(上述 ① )と、その有効性、すなわち有効期間が重要である。有効期間が切れていれば、パスポートという文書の証明書としての機能が失われるからである。したがって、「有効期間」は文書の「本質的部分」にあたる。
→行為者は発行年月を改変することによって、文書の本質的部分に変更を加えている。したがって、かかる行為は「偽造」にあたる。
「偽造」にあたるのは、 ① ・ ② ・ ⑤ である。
【注】
① 覚えておきたい判例は、大判大15・5・13、最決昭35・1・12、大判明44・11・9、大判昭11・11・9など。
② 既存の真正文書に変更を加えたとしても、文書の証明力を滅却したにとどまる場合(借用証書の金額欄を黒く塗りつぶすなど)は、文書の「毀棄」にあたるので、「変造」ではないことに注意。
「偽造」と「変造」の区別は短答試験に頻出のテーマである。また、例えば公文書偽造罪の場合は、「偽造」なのか「変造」なのかによって、条文が変わってくる(155条1項または同条2項)のであり、この点では論文試験の論述においても重要となる。
「偽造」は不真正文書(=何もないところから嘘の文書を作り出す)を作成する場合である。これに対して、変造は真正文書(=もともとあった本当の文書に嘘を足す)の非本質的部分に変更を加える場合である。
まずは、保護法益である「公共の信用」から、文書の同一性を損なう場合が本罪にあたると理解し、そのうえで、文言を適切に理解し、「偽造」「変造」の区別を行うことが大切である。
丸暗記ではなく、「何もないところから嘘の文書を作り出す(偽造)」、「もともとあった本当の文書に嘘を足す(変造)」という簡単な言葉に置き換えて概念自体を簡潔に理解することも重要である。
さあ! 今日も“カク―――ン”と、燃える! “爆勉”しよう! 絶対合格!
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