司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!勉強にしても、仕事にしても、ある項目に、ぶち当たる。そんな時、自分なりの観方をもち、確立してほしい。江戸時代の国学者、本居宣長(もとおり・のりなが)は、しっかりしたスタンスで、世の中を悟って行った人である。考えを聞こう。
<本居宣長の言葉(2)> 「ものごとを、自分の目で見て、考えること。それを、丁寧に続ける」 |
▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!勉強も同じだ。ただ与えられた資料を暗記するだけでは、人間としての格が落ちる。“自分”という存在を、気にして、考えてほしい。
では、昨日の答えを示します。
民法 No.61【事例式演習①】解答編
1 BのCに対する請求は、所有権(206条)にもとづく返還請求権としての甲土地明渡請求権(202条1項・200条1項)と構成できる。
Bは、Cに対し、甲土地の明渡を請求することができる。以下、その理由を述べる。
2 Bは、AC間で締結された甲土地売買契約締結(555条)当時、18歳であったので、「二十歳」未満の未「成年」者(4条)であった。そのため、Bは、「父」Aの「子」として、Aの「親権に服」していた(818条1項)。Aは、Bの「親権を行う者」として、「子」Bが祖父から贈与され、所有権をもっていた(549条・176条)甲土地という「財産に関する法律行為」としての同土地売買契約につき、Bを「代表する」権限をもっていた(824条1項本文)。
したがって、AがCと締結した甲土地売買契約締結は、対外的には、上記「代表」権限内でBのために行ったとして、Bに同契約の効力が生ずる(99条1項)。
もっとも、Aの真意は、上記売買契約締結によって得た代金500万円を、Bのために用いるのではなく、A自身の金融屋Mへの債務の弁済に充てることにあった。
そこで、「親権を行う」Aの自己の債務を弁済するという「利益」と、「その子」Bへの甲土地の対価500万円の帰属という「利益」とが「相反」することが考えられる。仮に両利益が「相反する」のであれば、妻の了解を得ただけで、「子」Bのために「特別代理人を選任」しないまま行ったAの行為は、Bに効果帰属しないおそれがある(826条1項・117条1項)。
両「利益」が「相反する」かどうかは、親子間の内的事情ゆえの外部的な可視性の乏しさから、相手方の取引の安全を保護する要請が強い。そのため、「利益が相反する」かは、外形的・客観的に決する。
本件AC間の売買契約は、外形的・客観的には、あくまでBの法定代理人として、Bに効果帰属させるために行っているので、Bのための行為である。
したがって、両者の「利益が相反する」場合にはあたらない。そのため、Aの行為は、Bのための代理行為として、その「権限内に」の有効な行為である。
もっとも、Aの「真意」と、外形的な意思表示との間にずれがある点から、Aの行為は、93条本文の心裡留保に構造が類似する。
そうすると、Cは、Aの「真意」である「子」Bの甲土地売却権限を利用し、代金500万円を自己の金融屋Mへの債務の弁済に充てる意思を、「知っていた」のだから、Aの「意思表示」は「無効」である(93条ただし書類推適用)。
(4)以上から、AC間で締結された甲土地売買契約は無効なので、甲土地の所有権は、Cに移転しない。
よって、Bは、甲土地の所有権者として、Cに甲土地の明渡しを請求することができる。
以上(1082文字)
[留意事項]
(1)利益相反性の有無に関する問題提起においては、利益相反が肯定される場合の効果を意識した問題提起をするとよいだろう。単に「利益相反性の判断基準について、826条1項から明らかではなく問題となる」では、物足りないのではないかと思う(もちろん、他の論点とのバランスを考えた上で、どの程度まで書くかは調節する必要がある)。
(2)また、826条1項の利益相反性を否定⇒93条ただし書類推適用に至る流れは重要であるが、本件ではあまり長々と書かないことが大切である。本件の場合、「93条が直接適用されない」旨の記述は不要であろうし、むしろ書かない方がよいであろう。93条ただし書は、本事例において826条1項が適用されないことの不都合性を補うために「その考え方を借用する」規定なので、直接適用の有無を検討することは、適当とはいえないからである。類推適用の有無が問題となるからといって、常に直接適用の有無を検討する必要があるとは限らないことに注意すべきである。
▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!君は、資格をとって、確実な基盤をもつ。そして、自由にこの世界を見つめてほしい。いかなる拘束もなく自分の見方で、世界を眺める。そして、自分の道を選んで進む。面白く過ごしてください。社会貢献と小リッチにも気を配ってほしい。今日も“スコーン”と“爆勉”しよう!行け!絶対合格!!
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