民法

不動産の二重譲渡と借家権 / 岡倉天心(思想家)の言葉(2)

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司法試験・予備試験の合格を、決める君よ! 先日、法務省より発表された「平成27年司法試験予備試験論文式試験問題と出題趣旨」と「平成27年司法試験予備試験口述試験における問題のテーマについて」を含めた、最新版の予備試験「試験委員コメント集」が、昨日より販売を開始している。予備試験(論文式試験)の合格に、ぜひ活用してほしい。
▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ! 頭が固いと、「短答」「論文」の出題分の意図が、分からないことが多い。「現在の条件では、Aだ」としても、「少し条件を変えると、Bになる」など、いつも頭の中を柔軟にしておくことが大切だ。そうすると、試験委員の出題趣旨が見えてくることがある・変化に対して、敏感になることだ。変化に対応できることが、試験だけでなく、いろんな問題の理解や解法に役立つ。
東京芸術大学美術学部の前身、東京美術学校の設立に大きく貢献した、岡倉天心(思想家)は、芸術を超えた創造家であった。この偉大な先人の声に、耳を傾けたい。
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<岡倉天心(思想家)の言葉(2)>
「変化こそ、唯一の永遠である」
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▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ! 頭を柔らかくすると、どんな問題でも対応できる。日ごろから、休み時間には、“法学以外”のことを考え、感じてほしい。
では、昨日の答えを示します。
【解答】民法No.36
 不動産の二重譲渡と借家権
 1. (1)Oは、Tに対して、所有権(民法(以下、省略)206条)に基づく甲建物の明渡請求を行う。
   (2)かかるOの請求が認められるためには、Oに甲建物の所有権が帰属し、Tの甲   建物に対する占有に対抗力を有しないことが必要である。本件では、甲建物は、JからKへ譲渡されている。そのため、JK間の譲渡とJO間の譲渡とは、二重譲渡の関係にある。しかし、Oは、Jと甲建物の売買契約(555条)を締結して、所有権移転登記を具備した。そのため、177条により甲建物の所有権は、Oに確定的に帰属する。したがって、甲建物の所有権は、Oに帰属する。
 2. (1)以上のOの請求に対し、Tは、甲建物をKから賃借した上で「引渡し」を受けているため、借地借家法31条1項により甲建物の所有権者Oに対し、甲建物の賃借権を対抗できると反論する。では、Tの反論にある通りTの甲建物の占有には借地借家法31条1項により対抗力が認められるか。Tは、賃貸人であるKが甲建物の所有権移転の登記を具備せずOに所有権を対抗できなくとも、甲建物の「引渡し」(借地借家法31条1項)を受けていれば、Kに賃借権を対抗できるかが問題となる。
   (2)たしかに、借家法31条1項は、建物の「引渡し」があれば、当該建物につき物権を取得した者に、建物賃借権を対抗できると規定する。また、Tは、所有権移転登記を具備せずKに甲建物の所有権を対抗できないが、JT間の売買契約は一応有効であった。そのため、Kから甲建物を賃借し、「引渡し」を受けたTは、借地借家法31条1項によりOに賃借権を対抗できるとも思える。しかし、借地借家法31条1項が、建物の「引渡し」のみで、賃借権の対抗力が認められるとするのは、賃貸人である所有者が、目的物の所有権移転登記を具備していることを前提とする。そうでないと、他の利害関係人は、当該建物につき、所有者の存在を認識することはもちろん、賃借人の存在も予測できず、不利益を受けるからである。他方で、所有権移転登記を具備していない賃貸人から当該建物を賃借した者が、所有権の公示のない建物を賃借することのリスクを甘受すべきことはやむをえない。賃借人としては、事前に賃貸人が建物所有権者として登記を具備しているかどうか確かめることで、賃貸借契約を締結するか否かを決定するという自己防衛の手段を講じ、後に建物を明け渡す事態を招くリスクを回避することも不可能ではなかった。また、上記リスクによって生じた賃借人の不利益は、所有権移転登記を具備しなかった賃貸人と賃借人間の利益調整(賃借人による賃貸人に対する債務不履行責任追及など)によって分担すべきである。
   (3)したがって、Tは、Oに甲建物の賃借権を対抗することができない。よって、Tの甲建物の占有は、Oに対抗力を有しない。
 3. 以上から、Oは、Tに対して所有権に基づき、甲建物の明渡しを請求することができる。

以上

【注】
単純な二重譲渡の問題に賃借人が関わることで、問題がやや複雑化している。自らの価値判断を、適切な法的理論によって根拠づけることができるかが大切となる。その際、「対抗要件制度の目的と何か」という視点を持って分析するとよいと思う。
【合格の道標】No.17
 答案作成を通じた「出題趣旨・採点実感」の活用
 論文式試験で、合格答案を作成するために必携のテキストが「出題趣旨・採点実感」である。このテキストを熟読し、分析することで、答案作成の方向性やヒント、持つべき視点が見えてくる。
 しかし、どんなに有益なヒントや視点を優れたテキストから学ぶことができたとしても、それらを実際の制限時間内で作成する答案に反映できなければ、無意味である。また、「出題趣旨・採点実感」で求められている事項の「重み」や「答案上で表現することの難しさ」は、「出題趣旨・採点実感」を単に読んだだけでは決して理解できるものではなく、制限時間内に答案を書くことによって、初めて体感し認識できることなのだ。この体感、認識があってこそ、「求められている事項を反映するにはどうすればよいか」等を分析することが可能になり、次回の答案作成の際のレベルアップにつながる。換言すれば、答案を書くことなく漫然と「出題趣旨・採点実感」を読んだだけでは、求められている事項を分析することなどできない。例えば、「問題の所在をどう示すか」「この論点の論証の分量はどれくらい書くべきなのか」「この論点は書かなければならないのか、あるいは書けなくとも問題はないのか」「正確かつコンパクトに 表現するにはどうすればいいか」「求められている事項に触れたが、この書き方で読み手に伝わるのか」・・・等々、答案を実際に書いてみないと分析できないことが、非常に多いのだ。このように、実際に制限時間内で答案を書くことにより、「出題趣旨・採点実感」を繰り返し熟読することの価値が生まれる。その上で、自分に欠けていた知識や思考を補強するために定評のある基本書等を読み、そこで得た知識や思考をメモに残すなどして、「試験現場で使える形」にしておく。
 また、答案作成をすることなく単に「出題趣旨・採点実感」を読んだだけでは、そこで求められている事項や受験生が反省すべき事項について、当の受験生自身が「自分ごと」として受け取ることができない恐れもある。実際に(それも制限時間内で)答案を書かなければ、時間内で出題者側の求めにどこまで応じることができ、どこが欠けていたのかを具体的にチェックすることができず、合格答案を書くための適切な勉強方針も見えてこない。「出題趣旨・採点実感」で指摘されていることを「これは自分もやってしまうミスかもしれない」「これは自分のことを指摘しているのだ」という危機感や当事者意識を持つことが大切だ。漫然と読んだだけでは、当事者意識を持つことができず、どんなに繰り返し読もうとも、「記載された文字列をただ飽かず眺めただけ」である。考査委員による貴重なメッセージを正確にキャッチすることなどできないだろう。あるいは考査委員による貴重なメッセージに対して自分の都合の良いように勝手な解釈を加えてこれを曲解したり、誤読したりしかねない。「論語読みの論語知らず」ならぬ「出題趣旨読みの出題趣旨知らず」という笑えない状況だけは避けたい。このような「出題趣旨・採点実感」の誤った使い方・残念な使い方を防ぐためにも、何より最重要のテキストの価値を活かすためにも、制限時間内に答案作成を行う訓練を重ね、チェックを繰り返すことが必要なのだ。
 答案作成にまだ着手していない人や勉強を始めて間もない人も、できる限り早く問題演習を行い、答案作成に着手しよう。答案作成は、慣れないうちはなかなかしんどいものがあるが、普段の勉強ではどんなに失敗しても問題ないのだから、うまく書けなかったからといって落ち込むことはない。様々なテキスト類や答案集を参考にしながらひたすら問題演習・答案作成を繰り返し、慣れて行くのみだ。そして、自分の弱点を明確にした上で「どう考え、書くべきだったのか」という視点を常に持ち、自分の答案作成技術を向上させる努力を決して怠らないことが大切だ。また、ある事項についてきちんと理解しているかどうかは、きちんと読み手に伝わる形で答案上に表現できるかどうかが一つの指標となる。自分の理解をチェックし、補強するためにも、答案作成を重ねることが不可欠である。

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さあ今日も、面白い人生の中で、「法学」を学ぶ。“スコ―――ン”と、かつ、“カク―――ン”と“爆勉”しよう! 行くぞ! 絶対合格!
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