行政法

行政法定義テストNo.2[解答編]/世阿弥の言葉(2)


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「医学部受験ブログ開設にあたり」

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スクール東京

最高名誉顧問

成川豊彦

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法務省主催の司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!

ことを成すには、終わりから今を見るとよい。自分の死から、現在を逆観すると、いろんなものが見えてくる。室町時代の猿楽師で『風姿花伝』などを残した、世阿弥は、令と仕事について、“ピシッ”と決めている。

<世阿弥の言葉(2)>
「命には、終わりあり。能には果てあるべからず」

▼法務省主催の司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!

そうです。人の命には限りがある。しかし、能などの芸ごとや仕事には終わりはないのである。そのため、コツコツ研さんを重ねなければならない。

では、昨日の答えを示します。


行政法定義テストNo.2[解答編]

①Mは,国有地である河川区域内の土地について行政庁Kから河川法に基づく適法な占用許可を受けていたが,同法所定の許可を受けることなく当該土地上に工作物を設置した。Mは,Kとの間で,所定の期限までに当該工作物を撤去することを約したが,同期限までに撤去しなかった。この事例において,Kは,行政上の強制執行の措置を取ることができるか。
1 Kは,行政上の強制執行の措置を取ることはできない。
2 行政庁が,行政上の強制執行の措置を取るためには,履行が確保されるべき行政上の義務の存在が必要である。
本事例の場合,Mが履行すべき義務は,Kとの間で締結した約定(当該工作物撤去に関する約定)によって生じた義務すなわち私法上の義務であって,行政上の義務ではない
したがって,Kは,行政上の強制執行の措置を取ることができない。
②行政上の義務を2つに大別すると,どのような義務に分けることができるか。
作為義務不作為義務に分けることができる。
なお,作為義務については,さらに代替的な作為義務と,非代替的な作為義務に分けることができる。例えば,違法建築物を除去するというような義務は,代替的作為義務の典型である。
③執行罰と刑罰の違いは何か。両制度がそれぞれ対象とする行為を意識しつつ答えよ。
執行罰は,将来に向けて(行政上の)義務者の自発的な義務履行を促すために履行強制金を(「過料」として)科されるものである。
これに対し,刑罰は,過去に行われた法律違反行為に対する制裁(例えば「罰金」)として科されるものである。
④行政庁による氏名の公表は,個人の名誉,信用等を毀損するおそれがあるから,行政庁は, 法律の根拠がなければ公表することはできない。この記述は正しいか。
1正しくない。行政庁は,法律の根拠がなくとも氏名を公表することができる
2「公表」とは,基本的には情報の提供を主目的として行われるものである。行政処分とは異なり,それ自体は事実上の行為に過ぎず,人の権利や義務に関わることではないから,法律の根拠がなければ行うことができないというものではない。特定の者に大きな不利益をもたらす可能性がある情報を公表する(例えば,狼藉を働いた企業を制裁する目的で,同企業名を公表する)場合は,事前に本人から事情を聴取したり,弁明の機会を与えるなどの手続的な補償を充実させること救済を図るべきだろう。(磯部・「行政法」を参考)
⑤いわゆる「バイパス理論」とは何か
行政上の強制執行手続が利用可能である場合には,それによるべきであって,民事手続は利用できないと解される理論をいう。例えば,法によって賦課金を強制徴収する権能を与えられている公共組合が,あえてその権限を行使せず,通常の民事執行によって債権の実現を図ろうとすることは立法の趣旨に反し許されない(最判昭和41年2月23日判決)。
⑥行政上の強制徴収が可能な公法上の金銭債権について,あえて強制徴収という自力救済の権限を行使せず,民事的な執行の方法を取ることは可能か。
上記⑤の「バイパス理論」に従えば,⑥において,あえて民事的な執行の方法を取ることは不可能である。たとえていうならば,行政上の強制徴収手続とは,法によって整備されたスムースに進む「バイパス」であって,通常の民事執行という手続きは,「一般道路」「荒れたオフロード」というイメージか。
⑦水道事業者である地方公共団体が,同地方公共団体が定めた建築指導要綱に基づく行政指導に従わないことを理由に 建築中のマンションにつき給水契約の締結を拒否した場合 それが 当該建築指導要綱を順守させる目的によるときは,水道法第15条にいう「正当な理由」があり,適法な拒否に当たるか。
(参照条文) 水道法
第15条第1項 水道事業者は,事業計画に定める給水区域内の需要者から給水契約の申込みを受けたときは,正当な理由がなければ,これを拒んではならない。
1 適法な拒否に当たらない(違法な拒否に当たる)
2 水道法15条1項の趣旨は,給水という公益性の高いサービスを拒否できる事由を限定することで,国民の日常生活を守る点にある。そうすると,同法15条1項の「正当な理由」とは,深刻な水不足を避けるためにやむをえない場合等の水の需給の均衡を保つためにやむを得ない事由に限定されるべきである。本問の場合,地方公共団体が,マンション業者に対して,建築指導要綱を順守させることを目的として,圧力手段として給水契約の締結を拒否したものと評することができる。当該地方公共団体の給水拒否は,水の需給の均衡を保つことと何ら関連性のない不合理なものである。したがって,水道法15条1項の「正当な理由」に基づかない違法な拒否に当たる。
なお,「行政指導」は,あくまで相手の任意の協力あってこそ,である。行政庁が,「行政指導」の名の下に,相手方を威圧・恫喝(ときどき懐柔)するようなことがあってはならないことに留意する必要がある。


▼法務省主催の司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!

人の命は、はかないがその心を仕事に移せば、永遠のものとなる。人間と生まれた限り、そんな働きをしたいものである。

さあ!今日も、仕事である“爆勉”をとげよう!それも、面白く行け!絶対合格!!

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