刑法

“ドボーン”と落ちない対策

司法試験・予備試験の合格を、決める君よ! 年末年始に入って、本試験まで、あと少しとなった。「本番までの日数が、だんだん少なくなってくる反面、実力は、だんだん伸びてくる」とは、ならない。このことに、受験生は苛立つ。ここで、焦ったり、ビビッタリする人が出てくる。そうすると、せっかくの勉強したことが本試験場では、発揮できず、“ドボ―ン”と落ちる。心したい。この対策を、今から立てておく。
では、昨日の答えを示します。
【解答】刑法No.5
<「被害者の承諾」の定義を答えよ。>
被害者の承諾とは、被害者が自己の(法益)を(放棄)し、その侵害に承諾又は同意を与えることをいう。
【注】
(1)まず、「被害者の承諾」の問題で重要なのは、全体を見渡す姿勢です。つまり、犯罪の体系論を意識しながら、問題にあたるということです。
(2)このことは、刑法の学習全体において、非常に重要です。反射的な「悪しき論点主義」に陥ることを防ぐためにも、全体を見渡す姿勢(=犯罪の体系を、常に意識した姿勢)を大事にしましょう。
(3)「被害者の承諾」の定義は、上記のとおりです。ポイント(つまり、問題の本質)は、「法益の放棄」です。ここから、各種の類型へ、派生します。
  ① 法益の放棄が、その性質上、できない場合・無意味な場合(ex.国家的法益を保護する犯罪類型)。
  ② 法益の放棄が、構成要件として、あらかじめ類型化されている場合(ex.同意殺人罪)。
  ③ 法益の放棄が、違法性を阻却する場合(ex.傷害罪)などです。
(4)いくつもの類型があるようでいても、本質を押さえてしまえば、シンプルなものです。このことは、記憶に便宜であるのみならず、本番での思考が、合理化されて、安定感がでます。つまり、素早く、かつミスがなくなるのです。
【定義の重要性】
(1)「困ったら、定義」。定義とは、物事の意味・内容を他と区別できるように、明確に限定すること、またはそのものをいいます。
(2)定義を読めば、概念が、正確に理解できます。概念の積み重ねといっても過言ではない法解釈学においては、概念を正確に理解することが、基礎の基礎であり、また、近道なのです。
(3)今日において、司法試験に関わるテキストや基本書には、様々なものがあり、どれを選ぶかが悩みどころです。ここで、一つの目安として、「なるべく丁寧に、定義を載せてくれているものを選ぶ」ことを、お勧めします。
(4)年内も、残りわずかとなってきました。試験が近づくにつれ、私たちの周囲は、焦って、浮き足立ち、また、騒がしくなってきます。私たちは、これらに振り回されることなく、淡々と勉強をすることにしましょう。今からペースを崩しても、ロクなことにはならないことは、明らかだからです。
(5)季節の変り目は、体調を崩しやすい時期でもあります。くれぐれも、お身体にお気をつけて。そして、それでも、体調を崩したときは、深刻には考えずに、気を楽に持って、滋養に努めてください。
(6)「面白く、かつ、本気で」やる人を、スクール東京は、全力でサポートします。夢をもって、まっすぐに、頑張っていきましょう!

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Q:大学4年生の息子(22歳)がいます。予備試験の受験を始めました。もともと、彼は大学を卒業したら、就職するつもりだったようです。ただ家内が、「資格を、とっておきなさい」と勧め、彼は言われるまま、進路を変えました。予備校に通わせているのですが、「あー、しんどい・・・」という様子で、帰ってきます(兵庫県・SNさんの父)。
A:予備試験・司法試験の合格は、“法律のプロ”への道ですから、どんな失敗にもめげない“貪欲さ”が必要です。厳しい言い方ですが、受身のまま、親の言うことを聞き続けて、受かる試験ではありません。奥様は、苦しいかもしれませんが、彼が「もっと勉強がしたい」「合格したい」と自分から考え、行動するまで、ドッシリと構えること。これを、“無関心の関心”といいます。過干渉、つまり“関心の関心”は、彼の合格を遅らせるだけ。“タブー”としてください。
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