司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!試験に合格することも、実務で達成することも、“期・即・連”を守れば、確実に実現できる。「期」(ものごとは、期限を切る)。「即」(決まったことは、スピーディーに実行する)。「連」(中間や終りには、状況を報告する)。このことが、できない社会人が多い。このうちの「期」について、日本を激震させた田中角栄・元総理大臣は、一言で決めている。
<田中角栄の言葉(2)>
「時間を守れん人間は、何をやってもダメだ」
▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!受験時代は、各種のミーティングの5分前に集合する。実務に入れば、決まった時間の10分前に、駆けつける。これは当たり前。しかし、合格して“バッチ”を胸につけたりすると、時間を守れない人がチラホラ、出てくる。「これでは、ダメだ」。時間を守るということは、相手や仕事を愛することに通じる。プロフェッショナルになるには、必須の要件である。
では、昨日の答えを、示します。
【解答】刑法No.22
①XはYに有名な絵画の窃盗をするよう教唆した。Xは、窃盗をしたYから、その絵画を100万円で買い取った。
→盗品関与罪は、本犯(財産犯の罪を行った正犯者)には成立しない。本犯には適法行為が期待できず、不可罰的事後行為となるからである。しかしながら、本件のXは、教唆を行っただけであり、当該財物を手に入れたわけではない。
→Xは、本犯であるYから盗品を有償で譲り受けており、窃盗罪の教唆とは別に、盗品有償譲受罪が成立し、両罪は併合罪の関係立つといえる。
②Xは、Yが有名な絵画を盗んだことを知り、無料で、絵画の買い手を探してやり、Yは絵画を高額で売ることができた。
→Xの行為は、「あっせん」であることは間違いない。では、256条にいう「有償のあっせん」にあたるか。
→「その有償の処分のあっせん」とは、盗品を有償で処分することについての「あっせん行為」であり、行為者があっせん行為を有償で行ったかどうかとは無関係である。無料だろうが、有料だろうが、有償で処分することを「あっせん」することが実行行為となるのである。
→したがって、「絵画の買い手を探す」ことは、「有償の処分のあっせん」にあたるので、盗品有償処分あっせん罪が成立する。
③Xは、YがZから有名な絵画を盗んだことを知り、有料で、絵画の買い手を探してやり、買い手を見つけた。その買い手とは、被害者Zであった。Yは絵画をZに高額で売ることができた。
→Xの行為が「有償の処分のあっせん」にあたるか否かが問題となる。この点、被害者本人をあっせんすることは、「有償の処分のあっせん」にあたるのか。
→盗品関与罪の保護法益は、被害者が財物を返還してもらう権利、すなわち追求権である。被害者本人に絵画を売るならば、追求権が害されていないとも思える。
→しかし、そもそも、追求権とは、無償で財物を返してもらう権利なのであるから、被害者において、絵画を買い取らなくてはならないのは、「盗品の正常な回復」を困難にしていることになる。
→したがって、追求権の侵害を認めることができ、盗品有償処分あっせん罪が成立する。
④12歳の少年Aが有名な絵画を窃取した。Xは、Aから絵画を無償で譲り受けた。
→まず、少年Aは刑事未成年であるから、処罰されない(責任阻却)。したがって、本犯が処罰されない場合に、盗品に関与した者が処罰されるのかが問題となる。
→そもそも、盗品関与罪は、本犯に従属的な犯罪形態である。よって、従犯と同様、制限従属性説(通説)によって、本犯が構成要件該当性・違法性までを充足していれば、盗品に関与した者も処罰されるはずである。
→少年Aは、違法性までを充足しているから、Xには、盗品無償譲受罪が成立する。
⑤Xは、Yがマフィアから覚せい剤を盗んだことを知った。覚せい剤が欲しかったXは、Yから有償で覚せい剤を譲り受けた。
→盗品関与罪の保護法益は、私法上の追求権である。しかしながら、覚せい剤などの禁制品には、私法上の追求権はない。したがって、法益侵害を欠くのであろうか。
→しかし、窃盗罪や強盗罪、詐欺罪などにおいては、この場合にも犯罪が成立し、財物の事実上の所有状態が刑法的に保護されている。よって、その反射的効果として、禁制品などの盗品についても、被害者に追求権があると解すべきである。
→したがって、盗品有償譲受罪が成立する。
答えは、①・②・③・④・⑤である。
【注】
①最判昭24・10・1
②最判昭25・8・9
③最決平14・7・1
④大判明44・12・18
盗品関与罪は、行為態様が多く類型化されており、それぞれについて論点が存在し、短答試験においても多数出題されている財産犯分野の一つである。また、論文においても、忘れがち、落としがちな論点であるので、しっかりと学習したい領域である。
この盗品関与罪については、追求権の侵害と本犯助長という二つの点から理解すると、無償と有償の法定刑の差も自ずと説明することができ、判例の結論だけでなく、思考過程や保護法益を理解することが必要になるのである。
▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!いかに偉くなっても、「期」「即」「連」は、守りたい。このルールが、身につけば、
「自分は、プロフェッショナルになれた!」
と思っていい。意外と時間を守れる人は、いないものだ。君は、資格を取った後、人間としても立派な人、つまりプロフェッショナルになってください。
さあ!今日も面白く“爆勉”しよう!コツを知ろう!行け!絶対合格!!
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