民法

民法、事例式演習②/島崎藤村の言葉(2)


 司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!勉強の後の休憩時には、先人や著名人の言葉を、味わうのがよい。短い語句の中に、含蓄のある内容が多い。時間もかからないし、疲れもしない。特に司法試験・予備試験ブログには、週2回、先人らの各文句を載せている。遡って、読んでください。今日は、明治の文豪、島崎藤村の言葉である。

<島崎藤村の言葉(2)>
「弱いのは決して恥ではない。その弱さに徹しえないのが恥だ」

▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!この言葉は、受験においても通用する。司法試験・予備試験において、実力がないのは、仕方がない。今から、基本を通じて過去問を勉強し、ストックに、まとめる。そして、過去問答練で、検証する。そうすれば、実力がついてきて受かることになる。しかし、連敗者は、その地道な作業をやろうとしない。自分と周囲の人に恥しいからだ。できないという弱さに徹しもせず、ただ、恥しいことを隠そうとする。それでは、進歩しない。
 では、昨日の答えを示します。


民法No.54【解答】
1 DはCに対し、物上代位権を行使することで、Cに320万円の支払いを請求することができる(304条1項本文類推適用)。
2 Dは、「動産」である本件パイプに譲渡担保権をもち、担保権者としてBから優先的に債権の弁済を受ける立場にあるので、動産「先取特権者」(303条)に類する。
 BC間の契約は、請負契約(632条)である。請負契約は、先取特権に基づく物上代位権の発生原因として304条1項本文に列挙されていない。しかし、BC間の請負契約の代金の内訳は、その9割超という大部分を本件パイプそのものの代金が占めている。そのため、BC間の契約は、形式的には請負契約とされているが、実質的には、本件パイプそのものの価値に対して代金を支払うことを約する売買契約(555条)としての要素が強い。
 したがって、BC間の契約では、BがCから代金債権として「受けるべき金銭」は、実質的には、本件パイプを「目的物」とする「売却」によって生じたものと同視できる。
 他方、CはBに代金を支払っていないので、Bが「受けるべき金銭」の「払渡し」(304条1項ただし書き)は、なされていない。
よって、304条1項本文類推適用が認められる。
【注】
 法的効果を発生させるための直接的な明文規定のない場面である。該当しうる条文とその要件を探し出した上で、事例を適切に処理できたかどうかをチェックしよう。
【合格の道標】No.25
 短答式問題演習の際の注意点
 短答式試験の問題演習を行う際には、「効率的に解く方法を意識すること」が大切であると、ここ数回にわたって述べてきた。
 効率的に過去問演習を進めるためには、多くの問題を繰り返し解き、思考・処理手順を確立することを重視したい。この時、「理解していないのに先を急いでよいのか」という問題がある。この問題については、どう対処すればいいだろうか。
 確かに、一般的に、ある問題を解決する上で、「理解」を重視する心がけは大切である。しかし、この「理解」という概念は、これを用いる人や使われる場面によってその中身が大きく異なる。殊に試験勉強の場面において用いられる「理解」は、主観的で多義的、相対的な概念としての面が強くなりがちなのだ。
 そのため、「理解」ということに深くこだわるあまり、全く先に進めない(進まない)ようではいけない。法律学は、高度で深遠な面があるゆえ、「理解」にこだわり出すと、際限なく手を広げることになりかねない。学術面ではともかく、試験勉強においては、「理解」を追求することは弊害も大きいのだ。
 あくまで「試験問題を解くために必要な知識と、それを運用する技術(思考・処理手順)を身に付けること」が、試験勉強の目的であることを忘れないようにしよう。仮によく分からないことがあっても、チェックして先に進む。条文及び条文から派生する基本概念を出発点とする思考・処理手順の確立を意識しながら、問題演習を繰り返す。もちろん漫然と繰り返すのではなく、適切な思考・処理手順を確立することや、制限時間内により多くの問題を正解できる等の目的を持ちながら繰り返す。その際、疑問が生じたら、基本書等にあたって調べ、自分にとって「問題を解くために使える形」として残しておく。あるいは、問題を繰り返し解くうちに、最初はできなかったことができるようになる。当該問題固有の特徴をつかみ、効率的な解答順序を辿れるようになる。そうなれば、試験問題を解くために必要な「理解」としては充分である。


▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!実力がないことは、現在の事実であって、恥しいことではない。その事実を隠し、向上しないことが恥しいのである。司法試験・予備試験の連敗者は、このことを、分かってもらいたい。つまり、素直になって改善、改良すればいいことである。そうすると、まもなく、合格する。逆に、恥しいことを隠すと永遠に学力が伸びない。長年かかっても、合格の神様は、ほほえまない。実力もつかず、むなしい劣等感を抱えて、この世を終わることになる。「早く、このことを気づく」。そして、合理的な勉強をすれば、まもなく受かる。
 さあ!今日も面白く、学力を改良しよう!“ドカーン”と“爆勉”しよう!行け!絶対合格!!
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