司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!勝つための準備は、静かに、着実に行う。自分の心身との戦いである。一人、じっくり、やろう。この点について、このほど、囲碁公式戦で1,500勝目を挙げた名誉名人、趙治勲さん(60)は、やんわりと悟っている。
<趙治勲の言葉(2)> |
「雨より、静かに」 |
▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!戦いや受験・仕事を超えた境地にまで、なれば、そこには静かなる時空がある。
それでは、昨日の答えを示します。
刑法No.36【解答】
1.現住建造物放火罪の既遂の成否(刑法(以下、省略する。)108条)
(1)「放火して」
甲は,エレベーターのかご内に、故意に火を放っている。したがって「放火して」の要件を満たす。
(2)「現に人が住居に使用し」(現住性)
ア エレベーターのかご内は,通常、人が起臥寝食の場所として日常使用するものではなく,「住居」ではない。したがって,「現に人が住居に使用し」とはいえないのではないか。
イ しかし、108条は,不特定又は多数の人の生命・身体・財産を火力による危険から保護することを目的とする(公共危険罪)。そこで、「住居」の範囲を広げるべきである。すなわち「住居」そのものでなくても、焼損部分が「住居」と①物理的に一体であり、かつ②機能的にも一体であれば,「住居」の一部とする。
ウ 本件の焼損部分は、多人数が居住するマンションの居住者用のエレベーターのかご内である。
①物理的一体性について。
物理的一体とは、構造上、「住居」と接続している場合をいう。
エレベーターは、マンションの最下階から最上階までを貫く縦の空洞内を、人が立入りできる大きさのかごが上下し、各階の出入り口まで送り届けるものである。すなわち、かごは、構造上、各階の出入り口・共用廊下を通じて、住居部分と接続されている。したがって、物理的一体性が認められる。
②機能的一体性について。
機能的一体とは、「住居」を使用する手段として、使われている場合をいう。
マンションの住民は、住居部分が下層である場合は別としても、通常、エレベーターを使わなければ、住居部分に到達できない。したがって、住居を使用する手段として使われているのであり、機能的一体性が認められる。
エ よって、「現に人が住居に使用し」の要件を満たす。
(3)「建造物」
ア 「建造物」とは、家屋その他これに類似する建築物をいう。毀損せずに取り外しできる物(例えば、畳・雨戸等)は、建造物の一部に当たらない。
イ 本件のかごは、取り外しができるが,そのための工事は著しい手間と時間を要するものであった。
取り外しできるので、「建造物」ではないとも思える。しかし、工事が必要など、取り外しには特別な手間と時間が要り、一般の住民が容易に外せる性質ではない。したがって、「毀損せずに取り外しできないもの」と同視できる。よって、「建造物」に当たる。
(4)「焼損した」
甲は,エレベーターのかご内の壁に燃え移らせてこれを「焼損」している。したがって,「焼損した」の要件を満たす。
(5)故意については、問題なく認められる(38条1項本文)。
2.結論
甲は108条の構成要件をすべて満たす。したがって,現住建造物等放火罪の既遂罪が成立する。
以上
▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!受験という体験の中で、合格後の人生・仕事に通用するノウハウを、より多く習得してください。なにせ、受験・人生・仕事などはすべて、“同一のノウハウ”で達成できるから。この「雨よりも静かに」もその一つではあるまいか。君が少し、先が見えるなら、「受験=人生=仕事」ということが分かるだろう。
さあ!今日も、受験を人生の1コマ、現在の仕事とみなして、“爆勉”しよう!この“爆勉”というのは、時間をいたずらにかける、ということではない。「内容を鋭く追求せよ」という意味である!さあ!行け!絶対合格!!
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