民事実務基礎

民事実務基礎テストNo.3[解答編]/シュペンターの言葉(2)

 


先進国の人に影響されることが、多い。オーストリア出身のシャープな経済学者・ヨーゼフ・シュンペーターも、かの民法の大家・我妻栄にも多くの影響を与えたと聞く。

「なるほど」だから、現在でも、通用する「我妻民法」は、シュペンターの考えも採り入れているのか…。

希代の経済学者は、いろんな人の考えに貢献したのだと思うと、面白いものである。時々、本質なことがらをやさしく言う。

<ヨーゼフ・シュンペーターの言葉(2)>
「馬車をいくら並び立てても、汽車にはならない」

・あなたも、合格した後、いろいろな分野のプロフェッショナルから、教えを乞うことを勧めたい。そうすると、自分の専門分野も深化するに違いない。

では、昨日の答えを示します。


民事実務基礎テストNo.3[解答編]

参考文献等
岡伸浩・「民事訴訟法の基礎」[第2版](有斐閣・2008)
司法協会・「民事訴訟法講義案」[再訂補訂版](司法協会・2010)
中原茂樹・「基本行政法」[第2版](日本評論社・2013)
スク東先生・「スク東先生ブログ」(スク東先生・2016~)

次の記述の正誤等について解答せよ。判例がある場合は,判例の趣旨に沿って解答すること。

①私文書に作成名義人の印章による印影がある場合,その印影は,法律上,作成名義人の意思に基づいて顕出されたものと推定される。
【解答】誤っている。あくまで「事実上」の推定である。
②判例の趣旨によれば,Oの氏名が記された印影が私文書中に顕出されている場合には,その文書は,Oを作成者として真正に成立したものと推定される。なお,Oは被告であり,かつ,私人であるとする。
【解答】誤っている。Oの氏名が記された印影が,Oの印章によって顕出されたかどうかを確定しなければならないが,本問ではそれが不明確である。Oの印章によって顕出されたことが明確になれば,Oの意思による押印であることが事実上推定される
③債務者とその連帯保証人の署名がある借用証書は,一通の書面であっても,作成者が複数の文書である。
【解答】正しい。文書の作成者とは,文書を作成した(させた)意思の主体である。債務者と連帯債務者はそれぞれ別個に各人の債務負担の意思を表示する主体である。そのため,債務者とその連帯保証人の署名がある本問借用書は,一通の書面であっても,作成者が複数の文書となる。
④証拠保全手続きが適法に行われた場合,証拠保全に関する記録につき本案における証拠調べの結果と同じ効力をもたせるために必要とされる手続は何か。
【解答】口頭弁論に提出する手続が必要とされる。具体的には,証拠保全に関する記録は,本案の訴訟記録の存する裁判所に送付されることで(民訴規則154条),口頭弁論に提出される。証拠保全は,本来の訴訟手続とは別個に行われるので,その結果を口頭弁論に顕出させておく必要があるのだ。裁判所外で行われた検証手続の結果についても同様である。なお,再度証拠調べを行うことまでは不要なので注意しておこう。あくまで口頭弁論に提出すれば足りる。
⑤民事訴訟法248条は,「損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるとき」には,裁判所が口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき,相当な損害額を認定することができると規定する。この規定によれば,原告は,損害の性質上その額を立証することが困難な場合,損害額を明示せずに訴えを提起し,審理の段階においても損害額を不明確にしたまま主張をすることが許容される。
【解答】誤っている。248条は,立証の場面における困難性を救済する規定であり,当事者の主張のないまま審理を進めることを許容する規定ではない。裁判所としては,適切に釈明を行う等して当事者の主張を促すべきである。
⑥民法588条の準消費貸借契約における旧債務の存在については,債権者が証明責任を負う。
【解答】誤っている。債務者が旧債務の不存在について証明責任を負う準消費貸借は旧債務を消費貸借契約に変更するものであり,準消費貸借の合意があることにより旧債務が存在していたことの蓋然性を導く。また,一般的に準消費貸借契約の成立により旧債権証書は,返還された上で破棄される。以上から,債権者に旧債務の存在を証明させるのは酷であり,債務者がその不存在につき証明責任を負うとするのが公平である。
(※「債務者がその存在につき」を,「債務者がその不存在につき」に訂正致しました。)
⑦(1)法規は,証明の対象となるか。
(2)法規が証明の対象となる場合があるとして,外国法,慣習法,地方条例(以下「外国法等」という。)についてはどうか。
【解答】(1)原則として証明の対象とならない。(2)当事者がその存在と内容を主張立証する必要がある。裁判所が外国法等に精通しているとは限らず,裁判所において職務上知り得た事実とはいえない。なお,当事者としては,外国法規等の解釈まで行う必要はない。法規の解釈(及び適用)は裁判所の職責だからだ。
⑧在留外国人の在留期間の更新不許可処分については,更新事由の有無の判断は法務大臣の裁量に任され,その裁量権の範囲は広汎なものとされているから,判断の基礎となる事実認定についても,原則として当該行政庁の判断が最大限に尊重される。
【解答】誤っている。事実認定は,裁判において裁判所が争いのある事実を証拠調べの結果により得た心証をベースに確定する作業である。そのため,裁判所の主導によることが原則である。もっとも,原子力発電所の安全性のように,将来の予測を含む高度な科学技術的問題については,「要件の認定」と「事実の認定」が密接に結びついているので,行政裁量が認められることがある

【短答式実践解答法】

「スク東先生の地図」-Sukutosenseis’Map-
試験対策においては,つい「あれもこれもやらねば」となりがちである。そこで「対象を絞
りこむ」ことが大切になるのだが,そもそもどう絞り込んでいけばいいのかも悩ましい。
さらに個々人の勉強の進捗状況によって必要な情報も異なる。「やることが多すぎる」「必要
な情報をどう摂取していいか分からない」と,センチな溜息をつきたくもなる。あれこれ悩
み,試行錯誤することも時には大切だが,ここで「悩む力」を発揮するのは得策ではない。
行き過ぎると神経衰弱になってしまうからだ。
そうなる前に,スク東先生(以下,「先生」という。)である。先生は我々読者に対し,毎日
ブログやTwitterを通じ「手を広げすぎることから自由になりたくないかい。絞り込んで熱
く集中したくはないかい。」と,ヒントを投げかけてくれる。例えば,先生と東花子さんと
の問答の中に,必要とは何か」について多くのヒントがちりばめられているといえるだろう。
最近,先生は,ここ最近の“集大成”とでもいうべき「試験制度のページ」なる特設(常設?)
ページまでこしらえてくれた。このページには,試験制度の概要が掲載されており,これを
見れば受験に際して必要な情報を知ることができる。ここで,「法務省の発表をそのまんま
なぞっているだけじゃないか。同省のHPを見れば足りるじゃないか。」という声が出てき
そうではある。確かに法務省のページにアクセスすれば分かるのではあるが,意外と試験の
概要に限って「知っているからいいや」「他にやることもあるし・・いろいろなページを探
して閲覧するのも面倒だ」という理由からなかなかアクセスしないものである。
そのため,先生がこしらえてくれた「試験制度のページ」なる特設(常設?)ページは,「見
逃しがちだが不可欠な情報」を効率的に得る(あるいは確認する)ことができる点で有益な
のだ。先生は,「勉強のページ」で法律の議論の案内図を,「試験制度のページ」で試験の概
略図を示してくれたといえよう。これらはいわば「スク東先生の地図」だ。


・あなたの周りに優秀な人がいなくても、歴史に学べばいい。そうすると、人生が大きく開化することもあろう。今年の試験は、“ピシッ”と突破し、人生の試験にトライしてください。ご自愛を―――。

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