民法

有償責任契約と危険負担

司法試験・予備試験の合格を、決める君よ! 昨日は、プロ野球の広島東洋カープの黒田博樹投手の言葉を伝えた。彼は今、“時の人”。マスコミで“ちょう児”になっている。忙しい練習の中で、自分の考えを語っている。
――――――――――――――――――――――
<黒田博樹投手(プロ野球)の言葉>
「今日の一日を、選手としての“最後の一日”と、みなしてやれば、いい結果が生まれる」
――――――――――――――――――――――
その通りである。わしがいう“一日一生”だ。司法試験・予備試験の受験生である君も、“今日が、最後の日”、“一日一生”で行こう!
では、昨日の答えを示します。
【解答】民法No.16
有償寄託契約と危険負担
(1)本件CDは、隣家Bからの出火により焼失した。そのため、KのAに対する本件CDを返還する債務(662条)は、Kの責めに帰すべき事由によらずに履行不能となり消滅する。では、AのKに対する報酬支払い債務もまた、消滅するのか。危険負担(536条1項)の適用の有無が問題となる。
(2)ア.536条1項の趣旨は、双務契約における債務の存続上の牽連関係を認めることで、当事者間の公平を図ることにある。この趣旨からすれば、両債務は、双務契約から発生し、相互に対価的関係にあるものでなければならない。
   イ.有償寄託契約は、双務契約である。寄託者は、受寄者の保管という役務の提供に対し報酬支払い債務を負う。つまり、有償寄託契約において、相互に対価的関係にある債務は、寄託者の報酬支払い債務と受寄者の保管債務という役務の提供である。そのため、報酬支払い債務と目的物返還債務とは、対価関係にない。
   ウ.したがって、目的物返還債務が、受寄者の帰責性なく履行不能となり消滅したとしても、寄託者の報酬支払い債務が消滅することはない。よって、536条1項は適用されない。この結論は、目的物の返還を受けることのできない寄託者にとって酷にも思えるが、有償寄託契約の性質上、目的物の返還債務と報酬支払い債務とは、双務契約上の対価的関係にはないので、やむをえない。
(3)以上から、本件では、AはKに対して、20日の保管に係る報酬2万円を支払う債務を負っている。したがって、KのAに対する報酬支払い請求権は、認められる。

以上

【注】
双務契約の存続上の牽連性を規定する危険負担を考えるにあたっては、債務と対価的関係を、明確に把握する必要がある。【事例】におけるAは、保険などで救済されることも考えられる。しかし、Aが本件CDを預けた相手Kは、友人である。そのため、保険による利益調整は考えがたいであろう。
【民法の道標】No.7
<事前の準備と、アドリブ>
いわゆる「現場思考問題」と評される問題がある。「出題趣旨」や「採点実感に関する意見」(「試験委員コメント集」参照)等においても、「自分の頭を使ってしっかり解答することを求めている」旨のコメントがしばしば見られる。「自分の頭を使って考えて・・」などといわれると、思わず萎縮してしまう人も少なくないだろう。しかし、「自分の頭を使って解答する」とは、文字通りのクリエティブな法理論の創造を意味するものではない。あくまで、これまで習得に励んできた基礎知識やシンプルな論理的思考力を駆使して、なんとか対応してほしいとの意味である。いわゆる「現場思考問題」も、結局のところ、典型知識をいかにうまく組み合わせて、これまで習得してきた思考や論述の枠組み(それも、ごくシンプルな枠組みである)に乗せることで、変化球に対応することができるか、に尽きるように思う。恐れるべきは、「見たことのない問題」ではなく、典型知識の習得が不十分なために、試験の現場で必要な知識を引き出せないことである。いわばアドリブである「現場思考」をうまく行うためには、基礎知識を正確に習得することが不可欠である。また、基礎知識がしっかり習得されていれば、たとえアドリブに失敗したとしても、大きなダメージを受けずに済むのではないかと思う。

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▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ! この世での、やること。まず、司法試験・予備試験の合格は、当たり前。次に、自分なりの危険負担をして、“社会貢献+小リッチ”を果たす。君は、しっかりした心があれば、必ず出来る。出来ないのは、心が乏しいからだ。
さあ! 今日も、心して“スコ――ン”と“爆勉”する! 絶対合格だ!!
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