民法

民法No.70【事例式演習②】解答編・H28-28の改題/芥川龍之介の言葉(2)


 司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!他人のことは適切に客観視できるが、自分のこととなると主観的になりがちだ。人生とは、たぶん、自己についてのこれからを、客観的にみられるようになっていく道程のようなものだ。いつまでも、自分よかりでの“考・言・動”しかできないと、人生は、小さくなって行く。“弁護”についても、同じようなものだ。この辺のことを、かの天才といわれた小説家・芥川龍之介も、“仕方ない”としている。

<芥川龍之介の言葉(2)>
「他人を弁護するよりも自己を弁護するのは困難である。疑うものは弁護士を見よ」

▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!それでも、年を重ねていくうちに、少しずつは、ましになりたいものだ。君も試験に合格した後、ゆっくりと考えてください。
 では、昨日の答えを示します。


民法No.70【事例式演習②】解答編
設問(1)
①は、誤っている。②は、正しい。
設問(2)
①は、状況が単純なので容易に分かる。①では、債務が存在しないにもかかわらず、誤って弁済してしまった場合に不当利得返還請求権を認める。給付者に債務が存在しないことを「知らな」かったことにつき、「過失」があったとしても、責められるものではないだろう。したがって、給付者に返還請求を認めるべきである。
他方、②は、事案が①に比べて若干複雑だが、①と比べながら検討すると、注目すべきポイントが分かってくる。以下に示すように、①②両記述に類似する点があるからだ。
    配当(弁済)を受けた者は、「債権又は優先権を有しない」者であった。ここでいう「債権又は優先権を有しない」にもかかわらず配当(弁済)を受けたことは、換言すれば①における「債務が存在しない」にもかかわらず弁済したことと同義である。また、抵当権者が配当異議の申立をしなかったこともまた、①における弁済者の「過失により知らなかった」ことと同じく、責められるべきではない。したがって、①と同様、抵当権者に不当利得返還請求を認めるべきである。
    [留意事項]
    もちろん、②の状況を正確に把握できれば、②を単体で見ても、「抵当権者に不当利得返還請求を認めるべき」と結論付けることは難しくない。ただ、②が仮に初見の記述であれば、やや複雑であることも相俟って、冷静さを失い、結果として誤ってしまう危険がある。
では、この手のやや複雑な問題は、「落ち着いて本質から考えれば分かる」ものなのだろうか。 
しかし、「本質」という言葉は、実体が不明確であると同時にどこか威圧的な印象をもつ言葉である。そのため、「分からないときは本質から・・」と思えば思うほど、肩に力が入り、冷静に見れば分かるはずの記述が分からなくなってしまうのだ。これでは、「落ち着いて」解くことなど望めない。
そこで、このような危険を回避するために、あるいは難しい問題に冷静に対処するために、「容易に分かる記述をヒントにする」という視点をもっておいて損はないだろう。「原則・例外」「規範とあてはめを一致させる」も、結局「比較の視点」に基づく。前者は「原則と例外」を比較しており、後者は「規範と事実」を比較しているのである。
問題を解く際に、比較の視点をもてば、これら「原則・例外」等を正しく使うことができるだろう。また、「問題文をヒントに、知識を正しく使う」という発想をもてば、「本質」という実体が不明確な言葉にいたずらに頼り、振り回されることもない。
 【合格の道標】No.33
  定義や規範は、単に記憶しているだけでは足りない。具体的な事案で活用できてこそ初めて意味をもつ。そこで、定義や規範を記憶する際には、「具体的に活用する場面」をイメージしたり、具体的ケースにおいて使ってみることが大切だ。
  また、定義や規範が導かれた経緯を意識することも、正確な記憶のために大切なことだ。特に規範は、対立する利益調整の結果や条文等の趣旨から導かれる性質をもつため、その理論的背景を意識することは、バランスの取れた説得的な論述をする上でも不可欠といえる。
さらに、試験に頻出の著名判例が採用したある事項の定義(規範)については、「判例は、なぜこの定義(規範)を導いたのか」という観点から、検討してみるのも有効だろう。その際、自分なりに仮説を立て、その仮説を検証するために判例を読めば、なお効果的だ。
こうした作業により、定義(規範)が導かれた理論的な背景が分かれば、判例の考え方(判断の枠組み等)を身に付けることができる。判例の考え方を身に付けることができれば、短答式で頻出の「判例の趣旨に照らして」という問題に対し、「判例を知らないから・・」といって苦手意識をもたずに済むようになる。


▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!勉強に疲れた時は、ゆっくりする。外の自然の中を歩きながら、気を休めてほしい。そして、時々、合格後のことを空想してください。
 さあ!今日も、面白く時間を過ごそう。焦らず、なまけず、コツコツと。“爆勉”しよう!行け!絶対合格!!
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