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<福沢諭吉の言葉(2)>
「一文なしに国を出て、罷(まか)り違えば按摩(あんま)をしても食うことは出来ると思って、ソレカラ2人の者に按摩の法を習い、頻(しきり)に稽古して随分、上達しました」
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▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ! 何ごとも、役に立つものなら、機会があれば、やるといい。いつかチャンスがあれば、わしがマッサージをしてあげますヨ。
では、昨日の解答を、示します。
【解答】刑法No.19
「公共の危険」が生じた際に処罰されるというのは、すなわち、非現住建造物等放火罪(109条)の2項(自己所有)であることが分かる。したがって、放火罪のうち、当該家屋が行為者の自己所有なのか・あるいは他人所有なのかを検討する必要がある。自己所有の場合は、自分の財産を処分しているだけであるから、「公共の危険」が生じない限り、保護法益は侵害されておらず、処罰されないからである。
① Xは、Yと共同で所有している倉庫をYに断りなく焼損した。
→ 共同所有の場合は、全ての共同所有者の同意を得られた場合のみが、「自己所有」扱いとなる。共同所有者の財産権が害されてしまうからである。そして、Yの同意は得られていないことから、本件倉庫は「他人所有」となる。
② Xは、火災保険をかけた自己所有の無人の別荘を焼損したとき
→ 115条(差押え等に係る自己の物に関する特例)により、火災保険をかけている場合は、「保険に付した」ものであり、自己所有ではなく、「他人所有」とみなされる。他人(保険会社等)の財産権を侵害することになるからである。
③ Xは、1人で居住する「住宅街」にある賃借家屋を焼損した。
→ 115条(差押え等に係る自己の物に関する特例)により、賃貸物件の場合は、「賃貸した物」ものであり、自己所有ではなく、「他人所有」とみなされる。他人の財産権を侵害することになるからである。
④ 一緒に住んでいたYがX所有の家に放火したのを知り、Xは容易に火を消すことができたのに、火災保険金をもらおうと思って放置し、家屋が焼損した。
→ 火災保険金とあるので、115条(差押え等に係る自己の物に関する特例)により、当該家屋は他人所有となる。そして、Xについては、 ① 容易に消せたこと、 ② 火災保険金をもらう目的による放火の故意、があるので、不作為の放火罪が問われることになる。
⑤ 一人暮らしのXが、自殺目的で「人里から離れた山奥」にある自己所有の家屋に放火し、焼損させた。
→ 焼損させた家はXの「自己所有」であるので、非現住建造物等放火罪(109条)の2項(自己所有)の問題となる。ただし、この事案では公共の危険自体は否定されるだろう。
したがって、「公共の危険」が生じた際に処罰されるものは、 ⑤ のみである。
【注】
① 賃貸アパートについては、一人暮らしの犯人が、自己の住居に使用する他人所有の建造物に放火したときは、本項の目的物となるとされた判例がある(大判昭7・5・5)。
短答式試験においては、まず、 ① 現住(108条)か、非現住(109条)かを判断する。次に、非現住の場合、 ② 他人所有(1項)か、自己所有(2項)かを判断する。その際には、所有者の同意や保険・賃貸の有無を確認する。条文の構造と体系を知り、いかなる場合に他人所有となるのか、に関して他人の財産権や、公共の危険という保護法益の観点から判断することで、正確に、かる迅速に解答することが可能となるのである。
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▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ! 福沢先生は、シャープな方だった。面白い人でもあったと思う。君も、勉強や仕事(バイト)が忙しくても、合間を見て、先生のように余技を習得するのもいい。ただし、ほどほどに。
さあ! 今日も、“スカッ”と“爆勉”しよう! いくぞ! 絶対合格だ!!
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