民法

契約自由の原則に基づく特約/森鴎外の言葉(2)


 司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!頭のいい人は、1つのことでも、2つのことでも、達成するノウハウをもっている。時間があり、ピントを合わせることが、できていればいいだけである。“オッ”とその前に、「やりたい」という夢がないといけない。明治の文豪であり、軍医総監であった森鴎外は、まずは“一匹の人間”について悟る。


<森鴎外の言葉(2)>
「一匹の人間が持っているだけの精力を、一事に傾注すると、実際、不可能な事はなくなるかも知れない」


▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!“一匹の人間”が、集中すれば、やろうと思ったことは、何でもできる。試練などは、軽いものである。そこには、できるノウハウが存在する。
 では、昨日の答えを、示します。


【解答】民法No.44
 求償権と特約
1 結論
特約は有効である。
2 理由
 契約自由の原則から、保証人と主債務者との間で求償権につき特約を付すことは自由である。
 他方、弁済による代位により、弁済者は、債権者の従前の地位を承継する形で債権者に代位する。かかる代位によって行使される権利は、代位される債権者のもつ従前の債権である。弁済による代位により、従前の債権者の法的地位が弁済者に承継されるためである。
 これに対し、求償権は、弁済者と債務者の間で発生する権利であるため、代位の対象となる債権とは別個の権利である。
 したがって、求償権について特約を付したとしても、あくまで保証人と主債務者固有の効力をもつに過ぎない。かかる特約が、他の物上保証人に影響を及ぼすことはない。
 よって、特約は有効である。
  【注】
 代位の対象となる債権と求償権とは、各々その発生原因が異なる。そのため、両者別個の権利であることを意識する。この視点をもって、短答式で出題された問題を検討してみよう。
  【合格の道標】No.21
 論文式試験問題の答案作成においては、当該論点について、しっかりとした論証をすることが求められる。論点によっては、論証の流れが予め確立されたものもあり、いわゆる「論証集」や「論証パターン」等々として市販されている。自分でイチからこうした論証集を作ることは、しばしば「労多くして益少なし」の結果を招くことになりがちだが、既存の論証集を用いることは、手間を省き効率的な勉強に役立つ。
 こうした論証集を使う際に最も重視すべきは、事案解決に応じた適切な論証ができるように、例示された論証を理解した上でカスタマイズし、自由に使いこなせるよう努めることだ。市販の論証については、あくまで一例として参考にし、あとは自分で問題演習を通じて論証の背後にある法的な原理原則の徹底的な理解と、論述における読みやすさを追求するためのブラッシュアップを図りたい。
 論証集は、論点処理の仕方を学ぶ上で有用なツールである一方、しばしば「暗記答案の元凶である」「悪しき論点主義を助長する」としばしばネガティブな評価を受けているようだ。たしかに、論証を覚えるとなると、時間がいくらあっても足りないことになるし、機械的な暗記は頭を硬直させるから、知っている問題はともかく、応用問題を解けるようにはならないだろう。仮に試験の直前期にあわてて詰め込むような使い方をすれば、「あれもこれも」となって焦りが募り、自律神経は乱れ、問題も思うように解けず、最悪の精神状況に陥る。そのため、使い方次第で自分の実力アップのための大きな原動力ともなれば、足を引っ張る要因ともなってしまう。
 そこで、こうした弊害を防止するために、常に論証の流れを法的三段論法の視点から意識し、具体的な問題演習を通じて論じ方(分量の調整方法など)を確立することが肝要となる。具体的な事例を通じて、論証の理解と使いこなしに努めることで、事案の特殊性に応じて既存の論証を修正し、出題意図に応えるために必要な応用力も身に付くだろう。また、テキストなどに掲載されている分類表なども、知識を手早く確認するためには便利なツールだが、こちらも何も考えずに丸暗記しただけでは、使える知識とはならない。時折、問題における特殊性を捨象して、「単に表にまとめただけ」の解説やテキスト類を見かける。 こうしたテキストは、スポット的に手早く知識を確認するためには非常に便利で有用である。
 しかし、使い方を誤ると、試験の現場ではほとんど使いものにならない。問題における特殊性を捨象し、事実を法的に分析する視点が全く抜けている場合があるからだ。こうしたテキスト類は、注意しながら使えば、むしろ考える訓練のための有効なツールとなる。要するに使う側の意識次第で、その効用は大きく変わるということだ。「なぜこのように区別あるいは分類されているのか」を考えつつ、納得・理解した上で覚える方法は時間がかかるかも知れない。しかし、「急がば回れ」にあるように、結果として実践的な知識となり問題を解く上で安定的な力を得ることができるのだ。


▼司法試験・予備試験の合格を、決める君よ!この世に出て、去るまでに、“何か1つ”なし遂げたいものだ。それが、できるノウハウとは、何か。まずは、出発点である合格へのノウハウをつかんで、もらいたい。
 さあ!今日も面白く“爆勉”しよう!コツを知ろう!行け!絶対合格!!
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